Cdparanoia

cdparanoia（シーディーパラノイア）は、Linux環境で利用できるオープンソースのCDリッピングソフトウェアです。その特徴は、徹底したミニマリズムに基づいた設計と、高いエラー補正能力にあります。

設計思想

cdparanoiaの中核を担うのは、paranoiaライブラリです。アプリケーションとしてのcdparanoiaは、このライブラリのフロントエンドとして機能し、実際のCD読み取り処理の大部分はライブラリ側で行われます。このライブラリの最終安定版はParanoia IIIとしてリリースされています。

cdparanoiaの設計理念は、「多すぎる機能は本質を損なう」という考えに基づいています。GUIやCDDBアクセスといった付加機能は省き、リッピングの正確性に焦点を当てています。これにより、ハードウェアであるCD-ROMドライブの特性を最大限に引き出し、高品質なリッピングを実現しているのです。

開発の歴史

cdparanoiaは、Xiph.org（後のVorbisやTheoraの開発チーム）によって開発されました。ソースコードはSubversionを通じて公開されています。当初はcdda2wavのパッチとして開発が始まり、Paranoia IおよびIIとして限定的なエラー補正と少数のデバイスをサポートしていました。1998年1月には、Paranoia IIIとしてスタンドアローンのライブラリに進化しました。

最新の開発バージョンであるParanoia IVでは、移植性や柔軟性が向上し、より多くの機能が搭載される予定です。パラレルポートデバイスのサポート、プリギャップの検出と除去、Solarisへの移植などが計画されています。一時的にウェブサイトやソースコードの更新が途絶えた時期がありましたが、2006年8月にはバージョン10.0のプレリリースとともに開発の継続が発表されました。

ステータスインジケータ

cdparanoiaのユニークな特徴として、処理状況を示すためにスマイリーフェイスに似た顔文字が用いられています。以下は、それぞれの顔文字が示す意味です。

`:-)` 通常動作、低／無ジッタ
`:-|` 通常動作、有意なジッタ
`:-/` 読み取りドリフト
`:-P` 最小単位の読み取り動作における無報告のストリーミング消失
`8-|` 再読み取り中に問題を検出、訂正困難
`:-0` SCSI/ATAPI転送エラー
`:-(` スクラッチ（擦り傷）を検出
`;-(` 訂正を放棄
`8-X` 訂正不可能な既知のエラーにより終了
`:^D` 展開完了

関連事項

CD-DA
Sound Juicer

外部リンク

CDDA Paranoia Homepage -- 公式サイト
cdparanoia user manual (Japanese) -- 日本語版マニュアル
Mac OS X 用ソース
Bronson Beta -- Mac OS X 用インストーラ
cdparanoia for BeOS
The FreeBSD Ports Archive: cdparanoia
* The NetBSD Packages Collection: audio/cdparanoia

もう一度検索