Theora
Theora（セオラ、シオラ）は、オープンな非可逆動画圧縮フォーマットであり、そのコーデックでもあります。音声圧縮フォーマットVorbisの開発元として知られるXiph.orgが、On2のVP3をベースに開発しました。Theoraは、Oggコンテナフォーマットの標準ビデオコーデックとして利用され、音声には通常Vorbisが用いられるため、Ogg Theoraと呼ばれることもあります。
Theoraは、On2のVP3を基にした後方互換のフォーマットですが、ファイルフォーマットレベルでの互換性はありません。仕様とその標準実装であるlibtheoraは、BSD[[ライセンス]]の下、オープンソースとして提供され、ロイヤリティフリーで利用できます。
Theoraのフォーマットは2004年8月に凍結され、2008年11月に安定版であるlibtheora 1.0がリリースされました。長らくエンコーダ部分の改善は行われていませんでしたが、1.0のリリースに合わせて、Xiph.orgはエンコード品質を大幅に向上させる新しいエンコーダ“Thusnelda”（Theora 1.1）を2009年9月24日にリリースしました。また、FFmpegのコアライブラリであるlibavcodecでもTheoraの開発が進められましたが、普及には至りませんでした。より進んだ競合コーデックが登場したことや、Xiph.org自身が後継コーデックであるDaalaを開発したため、Theoraの普及は今後見込まれていません。
Theoraは、以下のような特徴を持っています。
ブロック単位の動き補償
8x8 Type-II 離散コサイン変換
品質ベースエンコード（VBR）
適応インループフィルター（デブロッキング）
最小8x8のマクロブロック
量子化行列のカスタマイズ（intra/inter, luma/chroma）
フレキシブルなエントロピー符号（1フレームあたり80個のVLCテーブル）
YUV4:2:0に加え、YUV4:2:2、YUV4:4:4のピクセルフォーマット
8bitのカラーチャンネル
複数の参照フレーム
非正方ピクセル（ピクセルアスペクト比）のサポート
16の倍数ではない解像度（現在は8x8以上のフレーム）をサポート
量子化値の非線形スケーリング
ブロック単位までの適応量子化
ストリームはIフレームとPフレームで構成され、Bフレームはサポートしない
1/2画素精度の動き補償
Oggのほか、AVI、Matroska、Ogg Mediaなどのコンテナ形式に対応
Theoraは、以下のような用途で利用されています。
ウェブブラウザ上での動画再生
コンピュータゲームでの動画
特許上の懸念が少なく、フリーで利用できるTheoraは、HTML5における標準動画コーデックの候補として、Mozilla Foundationやオペラ・ソフトウェアなどから支持されていました。しかし、Appleやノキアなどの反対により標準化は見送られました。Googleも、H.264/MPEG4 AVCなどの新しいコーデックと比較して圧縮率が劣るという理由から、TheoraはYouTubeでの利用には不十分であると判断しました。一方で、Xiph.orgのGreg Maxwellは、独自に行った比較検証で、TheoraはH.264に対しわずかに劣るものの、実用上は遜色ないと主張しています。
2009年8月現在、TheoraはMozilla Firefox、Opera、Google Chrome（Chromium）などのウェブブラウザでサポートされており、<video>タグを用いることでプラグインなしに再生可能です。
Theoraは通常、Oggコンテナに格納され、ファイルの拡張子は.ogvとなります。音声コーデックにはVorbisが使用されます。従来のビデオコーデック同様、DirectShowを利用したコンテナ形式（AVI、MKVなど）に格納することも可能ですが、あまり利用されていません。
通常は以下のような形式で利用されます。
(Theora+Vorbis).ogv
注：(Theora+Vorbis).ogg
拡張子.oggは非推奨となり、現在は拡張子.ogvが使用されます。
Ogg
Vorbis
Daala - Theoraの後継動画圧縮コーデック
WebM
ffdshow
オープンソースの[[コーデックとコンテナフォーマット一覧]]
動画編集ソフトウェア
Icecast
Xiph.Org
Theora.Org
ffmpeg2theora
illiminable Ogg Directshow Filters for Speex, Vorbis, Theora and FLAC
Jheora Cortado Java用
概要
Theoraは、On2のVP3を基にした後方互換のフォーマットですが、ファイルフォーマットレベルでの互換性はありません。仕様とその標準実装であるlibtheoraは、BSD[[ライセンス]]の下、オープンソースとして提供され、ロイヤリティフリーで利用できます。
動向
Theoraのフォーマットは2004年8月に凍結され、2008年11月に安定版であるlibtheora 1.0がリリースされました。長らくエンコーダ部分の改善は行われていませんでしたが、1.0のリリースに合わせて、Xiph.orgはエンコード品質を大幅に向上させる新しいエンコーダ“Thusnelda”（Theora 1.1）を2009年9月24日にリリースしました。また、FFmpegのコアライブラリであるlibavcodecでもTheoraの開発が進められましたが、普及には至りませんでした。より進んだ競合コーデックが登場したことや、Xiph.org自身が後継コーデックであるDaalaを開発したため、Theoraの普及は今後見込まれていません。
特徴
Theoraは、以下のような特徴を持っています。
ブロック単位の動き補償
8x8 Type-II 離散コサイン変換
品質ベースエンコード（VBR）
適応インループフィルター（デブロッキング）
最小8x8のマクロブロック
量子化行列のカスタマイズ（intra/inter, luma/chroma）
フレキシブルなエントロピー符号（1フレームあたり80個のVLCテーブル）
YUV4:2:0に加え、YUV4:2:2、YUV4:4:4のピクセルフォーマット
8bitのカラーチャンネル
複数の参照フレーム
非正方ピクセル（ピクセルアスペクト比）のサポート
16の倍数ではない解像度（現在は8x8以上のフレーム）をサポート
量子化値の非線形スケーリング
ブロック単位までの適応量子化
ストリームはIフレームとPフレームで構成され、Bフレームはサポートしない
1/2画素精度の動き補償
Oggのほか、AVI、Matroska、Ogg Mediaなどのコンテナ形式に対応
利用例
Theoraは、以下のような用途で利用されています。
ウェブブラウザ上での動画再生
コンピュータゲームでの動画
HTML5への策定をめぐる議論
特許上の懸念が少なく、フリーで利用できるTheoraは、HTML5における標準動画コーデックの候補として、Mozilla Foundationやオペラ・ソフトウェアなどから支持されていました。しかし、Appleやノキアなどの反対により標準化は見送られました。Googleも、H.264/MPEG4 AVCなどの新しいコーデックと比較して圧縮率が劣るという理由から、TheoraはYouTubeでの利用には不十分であると判断しました。一方で、Xiph.orgのGreg Maxwellは、独自に行った比較検証で、TheoraはH.264に対しわずかに劣るものの、実用上は遜色ないと主張しています。
2009年8月現在、TheoraはMozilla Firefox、Opera、Google Chrome（Chromium）などのウェブブラウザでサポートされており、<video>タグを用いることでプラグインなしに再生可能です。
コンテナ形式と拡張子
Theoraは通常、Oggコンテナに格納され、ファイルの拡張子は.ogvとなります。音声コーデックにはVorbisが使用されます。従来のビデオコーデック同様、DirectShowを利用したコンテナ形式（AVI、MKVなど）に格納することも可能ですが、あまり利用されていません。
通常は以下のような形式で利用されます。
(Theora+Vorbis).ogv
注：(Theora+Vorbis).ogg
拡張子.oggは非推奨となり、現在は拡張子.ogvが使用されます。
関連項目
Ogg
Vorbis
Daala - Theoraの後継動画圧縮コーデック
WebM
ffdshow
オープンソースの[[コーデックとコンテナフォーマット一覧]]
動画編集ソフトウェア
Icecast
外部リンク
Xiph.Org
Theora.Org
ffmpeg2theora
illiminable Ogg Directshow Filters for Speex, Vorbis, Theora and FLAC
Jheora Cortado Java用
もう一度検索
【記事の利用について】
タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。
【リンクついて】
リンクフリーです。