D902i

FOMA D902i の詳細解説

FOMA D902iは、三菱電機が開発し、NTTドコモから発売された第三世代携帯電話（FOMA）端末です。902iシリーズの先駆けとして、F902iと同時に市場に投入されました。

デザインと機構

D902iは、前モデルD901iSから続くワンプッシュオープンスライド式を採用し、本体側面のボタンを押すことで画面が開きます。D901iSの角ばったデザインから一転、丸みを帯びたスマートな形状となり、軽量化も実現しました。開閉はボタン操作のみで可能で、途中で止めることはできません。閉じた状態でもメール閲覧や基本操作が可能です。

機能と特徴

プッシュトーク: この端末はプッシュトークに対応した最初の製品であり、大々的なプロモーションが行われました。
ボタン: オレンジ色に光るボタンが特徴的です。
プリインストールアプリ: 「コラムスジュエル」や「珍さんと一緒トランプ＆占い」など、複数のiアプリがプリインストールされています。
音楽再生: 64和音の着信メロディに加え、AAC形式の音楽ファイルの再生に対応し、バックグラウンド再生も可能です。
データ保存: iアプリ、画面メモは各100件、メールは受信1000件・送信200件、iメロディは500件、電話帳は700件まで保存可能です。
日本語入力: ATOKが採用されています。
付加機能: FOMAプラスエリア、赤外線通信、バーコードリーダー、通話料金上限通知、遠隔ロック、自動時刻補正機能が搭載されています。

仕様

サイズ: スライドを閉じた状態で高さ109mm、幅50mm、厚さ19.5mm、重さ約116g。
ディスプレイ: 2.8インチのワイド画面を搭載。画面サイズ比は3:5で、解像度は横240ドット・縦400ドットの9万6千画素です。
連続待受時間: 約550時間（静止時）、約380時間（移動時）。
連続通話時間: 165分間。
連続テレビ電話通話時間: 90分間以上。
カラー: プレミアムイエロー、ラスターホワイト、クールブラック、ルミナスピンクの4色。
カメラ: メインカメラはスーパーCCDハニカム200万画素（記録画素数400万画素）、サブカメラは32万画素（記録画素数31万画素）です。デジタルズームは最大28倍まで可能で、オートフォーカス機能を搭載。
外部メモリ: miniSDカードに対応し、最大1GBまで（ユーザー報告では2GBも一部動作可能）。
その他: iモードFelicaに対応していますが、モバイルSuicaには非対応です。

歴史

2005年9月: 技術基準適合証明と電気通信端末機器審査協会の審査を通過。
2005年10月: 902iシリーズの開発が発表され、D902iはその中でも最初に発売されました。
2005年11月: D902iが発売されました。

不具合とリコール

画面の埃混入: 発売当初、画面パネル内に埃が混入する問題が発生しました。
miniSDカード: 認識できないデータが入ったminiSDカードがスロットに入っていると起動できない問題があり、ソフトウェア更新で修正されました。
電池パックのリコール: 一部の電池パック（D06）に異常発熱や破裂の不具合が発生し、リコールされました。対象は7種、130万個におよびました。このリコールにより、D902iS・D903iの発売が一時停止しました。

関連情報

D901iS: 前モデル。
NTTドコモ: 携帯電話キャリア。
FOMA: NTTドコモの第三世代携帯電話サービス。

外部リンク

三菱電機 携帯電話 D902i
ITmedia +D モバイル：写真で解説する「D902i」
ケータイ新製品SHOW CASE NTTドコモ D902i

D902iは、そのワイド画面とスリムなボディ、豊富な機能で多くのユーザーに利用されました。しかし、電池パックのリコールなど、いくつかの問題も発生しました。この機種は、当時の携帯電話の技術進歩と課題を象徴する一台と言えるでしょう。

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