プッシュトーク(PushTalk)とは
NTTドコモが提供していた
プッシュ・ツー・トークサービスの
商標名です。キャッチコピーは「Play! Push! Talk!」でした。FOMA 90xシリーズ、70xシリーズ、および新型番シリーズの一部端末で利用可能でした。
サービス内容
対応端末には、側面にプッシュトークボタンが搭載されています。このボタンを押すことで「プッシュトーク電話帳」が表示され、会話したい相手を指定します。通常は最大5人まで、プッシュトークプラスを契約した場合は最大20人までをグループに登録して呼び出すことが可能です。
会話に参加するには、プッシュトークボタンを押して応答し、ボタンを押しながら話します。一度に話せる時間は最大30秒で、話している間はボタンを押し続ける必要があります。ボタンを離してしまうと発言が途中で終了してしまいます。また、発言権を得るには、相手の発言が終わってからプッシュトークボタンを押す必要があり、発言権の予約はできませんでした。そのため、ボタンを押すタイミングを逃すと、発言できないこともありました。
会話には
パケット通信が利用されており、2秒程度の遅延が発生することもありました。30秒間誰も発言しない場合、プッシュトークは自動的に切断されます。
多くの機種では、端末を閉じたままプッシュトークに応答・会話が可能でしたが、初期の端末の一部には、「閉じたままの応答」(その後閉じて会話は可能)や「閉じたままの応答・会話」に対応していないものもありました。非対応機種に呼び出そうとするとエラーメッセージが表示されました。
903iシリーズ以降の端末では、発信者に限り、会話の途中で新たなメンバーを呼び出したり、一度切断されたメンバーを再び呼び出す機能が追加されました。また、デフォルトでハンズフリーでの通話が可能となりました。
料金形態
対応端末であれば、特に申し込みをすることなくサービスを利用できました。1プッシュ(1回の発言権)ごとに5.25円の料金が発生し、30秒間話しても話さなくても料金は同じでした。会話を聞くだけの場合は料金はかかりません。
月額1,050円のカケ・ホーダイを契約すると、プッシュトークを定額料金で利用することができました。サービス開始から
2005年12月31日までは、すべての料金が無料でした。
2006年12月には、『プッシュトーク★キラキラ大作戦』キャンペーンが実施され、プッシュトークの通信料と定額料が無料化されました。また、
2008年6月1日から同年12月31日までは「プッシュキャンペーン」として、1プッシュの料金が1.05円に、カケ・ホーダイの月額料金が315円に値下げされました。
法人向けには「プッシュトークプラス」というサービスがあり、最大20人までの同時会話、プッシュトーク電話帳のネットワーク経由での編集、参加者の状態(会議中、移動中など)をネットワークに登録できる機能が提供されました。
実態
ドコモの資料によると、
2006年9月末までに約800万台の対応端末が販売されましたが、実際に月1回以上プッシュトークを発信していたユーザーは、対応端末所有者のうち8%程度でした。市場の変化に伴い、プッシュトークのサービスは2010年9月30日に終了しました。晩年の月間利用者数は10万人程度でした。
対応機種
プッシュトークに対応していた主な機種は以下の通りです。
新型番シリーズ
SH-04A
SH-03A
SH-01A
F-06A
F-03A
F-01A
N-09A
N-08A
N-06A
N-02A
N-01A
P-08A(プッシュトーク対応最終機種)
P-07A
P-02A
P-01A
90xシリーズ
SO905iCS
SO903iTV
SO902iWP+
SO906i
SO905i
SO903i
SO902i
SH906iTV
SH905iTV
SH903iTV
SH902iSL
SH906i
SH905i
SH904i
SH903i
SH902iS
SH902i
D903iTV
D905i
D904i
D903i
D902iS
D902i
F905iBiz
F903iBSC
F903iX
F906i
F905i
F904i
F903i
F902iS
F902i
N905iBiz
N902iX
N906iμ
N905iμ
N906iL
N902iL
N906i
N905i
N904i
N903i
N902iS
N902i
P903iX
P905iTV
P903iTV
P906i
P905i
P904i
P903i
P902iS
P902i
70xシリーズ
SO704i
SO703i
SH703i
SH702iS
P703i
P702iD
P702i
関連項目
プッシュ・ツー・トーク
脚注