DA (レーダー)

DAシリーズの概要

DAシリーズは、オランダのシグナール社（現在はタレス・ネーデルラント社として知られる）が開発した、主に中・短距離の対空捜索と目標捕捉を目的とする2次元レーダーの一群です。このシリーズはSバンドのレーダーであり、同社の先行して開発されたLバンドのLWシリーズと類似の設計が施されています。これにより、効果的な航空機の検知や目標追尾が可能となっています。

歴史と発展

DAシリーズの最初のモデルであるDA-01は、シグナール社内でSGR-105という名称で知られ、1954年に実用化されました。この初代モデルの技術をもとに、出力を強化したDA-02も開発され、これは大型艦向けに設計されました。また、DA-01の軽量化バージョンであるDA-04も登場し、アンテナが544 kgに削減されることで運用の柔軟性が高まりました。興味深いことに、DA-03は発表されておらず、詳細は不明です。

次世代機として位置付けられるDA-05は、LW-04と似た楕円形のアンテナを採用しています。さらに、デジタル式移動目標表示（MTI）技術を導入することで、より高精度な目標追尾が実現されました。このモデルを基に限定版であるDA-05/Mという可搬式地上レーダーも製造されました。また、地上運用に特化したDA-06やDA-07も開発され、様々な運用シナリオでの活用が期待されています。

1980年代末には、DAシリーズの最終型であるDA-08が登場します。このモデルはLW-08のSバンド版と見なされ、さらに改良型ではMTIに高速フーリエ変換（FFT）技術が導入されるなど、進化を続けています。

採用国と搭載艦

DAシリーズはオランダ海軍をはじめ、いくつかの海軍で採用されました。特に1950年代から1960年代にかけて建造された駆逐艦やフリゲートに搭載されており、ようやく射撃指揮レーダーとの統合が進む中で、このシリーズはその役割を次第にLWシリーズに譲る形になりました。これにより、対空捜索機能はLWシリーズに集約されることとなり、DAシリーズの目標捕捉機能は徐々に使用されなくなっていきました。

競合機種との関係

DAシリーズは、イギリス製の992型やフランス製のDRBV-15、さらにはイタリア製のRAN-10Sと同じく、同級機とされています。これらはレーダー機能の能力や設計が異なり、それぞれの国の海軍のニーズに応じた仕様となっています。

参考文献と関連項目

DAシリーズに関する詳しい情報は、各国の海軍の公式文書や軍事装備に関する専門書籍、またはシグナール社やタレス社の製品カタログを参照することで得ることができます。

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