DRBV-15

シー・タイガー（Sea Tiger）の概要

シー・タイガーはフランスのトムソン-CSF社によって開発された2次元レーダーシステムであり、フランス海軍ではDRBV-15という名称で制式化されています。このレーダーは、小型艦向けに配備されていたヴェガ戦術情報処理装置を基にしたもので、主にフリゲート艦での運用を念頭に置いて設計されています。さらに、シー・タイガーの発展型としてMk.2があり、こちらはDRBV-15Cとして制式化されています。

シー・タイガーの特長

シー・タイガーの最大の特長は、探知能力にあります。本レーダーはCバンドからSバンドに変更されており、これにより長距離探知が可能となっています。具体的な数値で示すと、レーダー反射断面積（RCS）が2m²の対象に対して、シー・タイガーは110キロメートル（59海里）での探知が可能です。これは、前モデルのトリトンIIが30キロメートル（16海里）であったことと比較すると、かなりの性能向上です。

初期型のDRBV-15はメッシュ型のパラボラアンテナを使用していましたが、DRBV-15CのMk.2ではプレーナアレイ・アンテナに完全に切り替わっています。これにより、より高精度なデータ処理とターゲット追尾が可能になっているのです。

採用国と搭載艦艇

シー・タイガーはフランス海軍をはじめとする複数の海軍で採用されています。具体的には、以下の艦艇に搭載されています。

• - フランス海軍

- シュフラン級駆逐艦「デュケーヌ」（DRBV-15）
- ジョルジュ・レイグ級駆逐艦（DRBV-15A; 後期建造艦）
- カサール級駆逐艦（DRBV-15; 後日DRBJ-11Bに換装）
- ラファイエット級フリゲート（DRBV-15C）
- ミサイル追跡艦モンジュ（DRBV-15C）

• - コロンビア海軍

- アルミランテ・パディーヤ級フリゲート（シー・タイガー; 後日SMART-Sに換装）

• - サウジアラビア海軍

- アル・マディーナ級フリゲート（シー・タイガー）

• - 中国人民解放軍海軍

- 旅大III型駆逐艦（051DT/G型; 363型）
- 旅滬型駆逐艦（052A型; 363型）

結論

シー・タイガーは、フランス海軍の防空能力を向上させるための重要なレーダーシステムです。高精度で長距離の探知が可能なため、現代の海戦において非常に価値のあるセンサーです。特に、各国の海軍で採用されることで、このレーダーの信頼性と有用性がさらに証明されています。

関連情報として、ウィキメディア・コモンズにはDRBV-15に関するカテゴリが存在し、他の類似機器としてイタリア製のRAN-10Sなどもあります。

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