DAKARA (BOØWYの曲)

BOØWY - DAKARA

「DAKARA」は、日本のロックバンドBOØWYが1988年2月3日にリリースした8枚目のシングルです。12インチシングル形態で、Invitationレーベルから発売されました。作詞・作曲は氷室狂介が手掛けています。

背景とリリース

この楽曲は、ファーストアルバム『MORAL』（1982年）のレコーディング時期に制作されましたが、当時はお蔵入りとなっていました。同じく未発表だった「OUT!!」と「LET'S THINK」も同時に収録されています。元々はシングルとして制作されたものではなく、タイトルは「DAKARA」ですが、収録曲順では2番目となっています。シングルリリースと同時に、3曲を収録したアルバム『MORAL+3』も発売されました。

1987年12月24日の渋谷公会堂公演でBOØWYは解散を宣言。その後にリリースされた本作は、オリコンシングルチャートで最高2位を記録しました。

制作の経緯

6枚目のアルバム『PSYCHOPATH』（1987年）リリース後、BOØWYは全国ツアー「BOØWY ROCK'N'ROLL REVIEW DR.FEELMAN'S PSYCHOPATHIC HEARTS CLUB BAND TOUR」を敢行しました。解散は既に決定していましたが、公にはされていませんでした。しかし、写真週刊誌『FRIDAY』が「BOØWY解散の噂」を報道し、解散の噂が広まりました。

ツアーファイナルとなった渋谷公会堂公演で、氷室京介から解散とも取れる発言があり、BOØWYとしての活動は幕を閉じました。当日、会場にはチケットを入手できなかったファンが多数詰めかけ、混乱が生じる事態となりました。翌日、新聞にはメンバー個人の名前で解散宣言が掲載されました。

楽曲について

収録曲は『MORAL』と同時期にレコーディングされました。ドラムスの高橋まことは、ビクターから次作の打診があり、「OUT!!」「DAKARA」「LET'S THINK」の3曲をレコーディングしたと語っています。また、2枚目のアルバムは当初パンク路線で制作する予定だったそうです。一方、氷室京介は「OUT」と「DAKARA」は『MORAL』の没テイク、「LET'S THINK」は2枚目のアルバム『INSTANT LOVE』（1983年）の没テイクだと述べています。

当時の所属事務所の副社長であった月光恵亮は、この3曲についてメンバーも思い入れがなく、「OUT!!」はライブでも演奏されなかったのではないかと語っています（実際には演奏されています）。また、「LET'S THINK」は印象に残っておらず、「DAKARA」は印象に残っていると述べています。

音楽誌では、3曲とも方向性が異なっており、結成当時の試行錯誤が表れていると指摘されています。また、これらの楽曲が同一のアルバムに収録された場合、違和感のある作品になっていたのではないかと推測されています。

チャートと評価

オリコンチャートでは最高2位、登場回数13回、売上枚数は14.1万枚を記録しました。解散直前のリリースであったため、ヒットに繋がったと分析されています。

収録曲

1. OUT!!
2. DAKARA
3. LET'S THINK

楽曲解説

OUT!!: 当時所属していた音楽事務所社長の弟をモデルにした、日本語詞の楽曲。社会学研究家からは「怒りをむき出しにしたかのように」表現されていると評されています。
DAKARA: 深沢和明によるサックス演奏が特徴。中期から後期を思わせるメロディラインで、後にサビ以外を変更した「DAKARA PART II」がライブで演奏されました。
* LET'S THINK: 『MORAL』と同時期に制作された楽曲で、4人編成になってから「SYMPHONIC」とのメドレーでレコーディングされたバージョンも存在します。ニューウェーブ色が強く、『INSTANT LOVE』の頃に近いアレンジです。ライブアルバムとDVD-BOXにライブ音源と映像が収録されています。

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