DFP

DFP（Digital Flat Panel Port）は、液晶ディスプレイとパソコンなどの機器間でデジタル信号を伝送するためのインターフェース規格です。この規格は、ATI、Compaq、Appleなどの企業が参加するDFPグループによって策定され、1999年3月にVESA（Video Electronics Standards Association）で正式に採用されました。

背景

従来のディスプレイインターフェースとしては、CRTディスプレイ向けのアナログRGB信号を伝送するVGA端子が一般的でした。しかし、液晶ディスプレイのようなフラットパネルディスプレイでは、デジタル信号を直接伝送する方がより効率的です。アナログRGB信号を液晶ディスプレイに表示する場合、以下の様な変換プロセスが必要となり、これが様々な問題を引き起こしていました。

1. ビデオカード(デジタル信号 → アナログ信号)
2. [VGA端子]
3. VGAケーブル(アナログ信号)
4. [VGA端子]
5. デジタル信号'>[液晶ディスプレイ]

この構成では、複数のアナログ-デジタル変換が行われるため、信号の劣化やノイズの発生、そしてシステムの複雑化によるコスト増加を招いていました。また、各メーカーが独自のデジタルインターフェースを開発したため、デバイス間の互換性が損なわれるという問題も生じていました。

DFPの登場

このような背景から、DFPグループは1998年に「Digital Flat Panel Port (DFP) Specification」をリリースしました。この規格では、PCのディスプレイ出力をTMDS（Transmission Minimized Differential Signaling、PanelLinkとも呼ばれる）という伝送方式を用いて、デジタル信号のまま伝送することを可能にしました。この規格により、アナログ変換による画質劣化を防ぎ、ディスプレイ本来の表示性能を最大限に引き出すことができるようになりました。

DFPは、TMDS信号とVESA DDC（Display Data Channel）信号を含んでおり、コネクタには一般的な20ピンのセントロニクスハーフコネクタが使用されています。また、DVI-D（Digital Visual Interface-Digital）との互換性も高く、コネクタ形状を変換することで、DVI-D対応の機器とも接続できるものが多く存在します。

注意点

しかし、2014年現在では、DFP規格を完全に遵守していない製品も存在するため注意が必要です。また、日本向けに生産された一部のモニターでは、DFPを拡張した独自の規格が採用され、モニターにUSBハブと同等の機能を持たせ、20ピンを超えるコネクタを使用しているものも存在しました。

関連規格

DFPは、後に策定されたDVI（Digital Visual Interface）規格にその役割を譲り、ディスプレイのデジタルインターフェースはDVIやHDMIなどの規格に収束していきました。

まとめ

DFPは、液晶ディスプレイのデジタル化を推進するために重要な役割を果たした規格です。アナログ信号伝送の課題を克服し、より高品質な映像表示を実現するための礎となりました。しかし、DVIの登場と共にその役割を終え、現在では過去の規格となっています。もし、古いPCやモニターでDFP端子を見つけた場合は、DVIとの互換性を考慮して適切な変換アダプタを使用する必要があります。

関連項目

Digital Visual Interface

外部リンク

DFP Group（英文）
* TMDS（PanelLink）

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