DORA

DORA（ドラ）は、1992年7月から1993年12月まで、約1年半活動した日本テレビ放送網の女性アナウンサー3人によって結成された歌手ユニットです。プロデュースは、人気番組『夜も一生けんめい。』などを手掛けた小杉善信が担当しました。

メンバー

永井美奈子（1988年入社）：実質的なリーダー格でした。
米森麻美（1989年入社）
* 藪本雅子（1991年入社）

結成の経緯

DORA結成のきっかけは、1992年7月放送の『夜も一生けんめい。』における企画でした。若手アナウンサーであった永井、米森、藪本の3人をアイドルユニットとして番組に出演させるという、ある種シャレのような試みが始まりでした。しかし、記者発表会での反応が予想以上に良かったことから、日本テレビ開局40周年企画の一環として、期間限定ユニットとして正式に活動することが決定しました。

ユニット名は、当時人気を博していた3人組アイドルグループMi-Keにあやかり、同番組のレギュラーであった美川憲一によって「DORA」（三毛猫→ドラ猫）と名付けられました。CDでは「Three DORAstic OL of NTV」と紹介されています。

小杉善信は、DORAを結成した理由について、当時女子アナブームにおいて日本テレビが他局の後塵を拝していたことを背景に、「フジテレビなど他局のアナウンサーは一人ひとりの個性が強いが、日本テレビのアナウンサーはそれが弱い。ならば、複数集まることでそれぞれの個性や魅力が伝わるのではないか」「『一本の矢じゃ弱いが三本集まれば折れない』ということをアピールしたい」と述べています。

活動内容

永井と藪本が司会を務めていた深夜のファッション番組『クチュリエで道楽』（1992年4月 - 1993年3月放送）では、「DORAの店」や「DORA DRAMA」など、DORAとの連動企画が頻繁に放送されました。また、『ザッツ宴会テイメント』や『24時間テレビ 「愛は地球を救う」』（第16回）など、様々な番組にも出演し活躍しました。

メンバーの葛藤

米森と藪本はDORAの企画に乗り気でしたが、永井は当初かなり抵抗があったことを明かしています。当時アナウンス部長であった舛方勝宏に対し、「4年の下積みを経てやっとレギュラーが持てるようになったのに、なぜ歌ったり踊ったりしなければいけないのか」と抗議したそうです。最終的には、舛方から「後輩のまとめ役になってくれ」と説得され、しぶしぶ了承したというエピソードが残っています。

CDデビューとビデオリリース

1993年4月1日には、シングルCD「いつまでもそばにいて」をリリースしました（作詞：小田加奈子、作曲：織田哲郎、発売元：バップ）。オリコンチャートの最高順位は43位でした。このCDデビューは、当時永井が出演していた『NNNニュースジパング』で「ニュース項目」として紹介されるというジョークも飛び出しました。同年8月1日には、密着ドキュメンタリーやメイキング映像などを収録したVHS「DORA STORY～いつまでもそばにいて」（発売元：バップ）もリリースされました。

姉妹ユニット

系列局である讀賣テレビ放送でも、当時の若手女子アナウンサー3人（植村なおみ・脇浜紀子・徳山順子）で「NORA」という類似のユニットが結成されています。

解散

DORAは1993年末をもって活動を終了しました。ラストライブは『夜も一生けんめい。』の中で放送されましたが、本来の放送予定日であった1993年12月25日に同番組の司会を務めていた逸見政孝が急逝。追悼企画に変更されたため、年が明けた1994年1月8日に改めて放送されることとなりました。

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