DUBA-25

DUBA-25ソナーシステムの概要

DUBA-25は、フランスのトムソンCSF（Thomson-CSF）社によって開発された中周波ソナーシステムです。主に、フランス海軍の小型フリゲートに搭載されることを目的として設計され、対潜任務を持つ艦艇や、他の用途を有する大型艦にも適用可能なように開発が進められました。

開発の歴史

DUBA-25の開発は1960年代後半に始まり、1970年にフランス海軍との間で研究開発契約を締結しました。試験運用においては1974年および1975年に量産前のテストが行われた後、1975年からデスティエンヌ・ドルヴ級通報艦（A-69型）に搭載されて実際の運用が始まりました。

技術的仕様

このソナーシステムでは、直径115センチメートルのシリンダー内に36個のステーヴを配置し、8～10 kHzの中周波数で動作します。それぞれのステーヴが形成するビームの幅は10度であり、周波数変調連続波（FM-CW）方式を採用しています。パルス幅は30〜90ミリ秒の範囲です。このような特性により、DUBA-25は水中目標を効果的に探知する能力を持っています。

搭載艦

DUBA-25は、カサール級駆逐艦にも装備されました。このカサール級は、既存の大型対潜艦であるジョルジュ・レイグ級に防空能力を加えた設計ですが、ターター・システムがかなりのスペースと重量を占めることから、ソナーシステムを簡素化する必要が生じました。そのため、DUBA-25が搭載される運びとなりました。

さらに、A-69型からのポジティブな運用の評価を受けて、新たに開発されたラファイエット級フリゲートへの搭載が検討されましたが、最終的にはコスト削減のため、対潜センサーや兵器を一切搭載しない方針に決定されたため、DUBA-25の搭載は見送られました。

輸出と評価

輸出市場においては、DUBA-25の販売状況は低調でした。そのため、カサール級の生産は最終艦が就役した後に終了し、代替となる新しいスフェリオン・ソナーが市場に導入されました。一方、DUBA-25を基にコストが半減されたディオドン・ソナー（TSM-2630）は比較的好評で、エクアドル、アルゼンチン、ポルトガル、インドなどの国々に輸出されています。

中国におけるコピー版

1980年代後半には、中国がDUBA-25の技術と実機を入手し、江滬IV型（053H1Q型）フリゲートに搭載して運用テストを行いました。その結果、中国海軍の旧ソ連製ソナーと比べてDUBA-25の性能が優れていることが認識されました。この成功を受けて、中国は独自にSJD-7を開発し、これにより新しい汎用フリゲートである江衛II型（053H3型）へと搭載されました。

ただし、最先端の江凱型フリゲートについては、ロシア製のMGK-335ソナーシステムが導入されています。DUBA-25は、その後のソナー技術の発展に影響を与えたものと言えるでしょう。

結論

DUBA-25は、その開発背景や技術的特徴を持つフランスの中周波ソナーとして、特に海軍艦艇において重要な役割を果たしてきました。成功事例とともに、学びの多い歴史を持つシステムであり、現在も後継技術のベースとなっています。

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