EGBRIDGE:Macユーザーに愛された日本語入力システム
EGBRIDGEは、エルゴソフト社が開発・販売していた
日本語入力システムです。1984年に発表された日本語
ワープロソフト『EGWord』の漢字変換エンジンを元に、1985年5月に誕生しました。
アップル社との関わりと独自の進化
EGBRIDGEの開発には、アップル
コンピュータジャパンが初期段階から開発支援を行っていました。アップル社はEGBRIDGEの権利買収も検討しましたが、エルゴソフト社は他機種への展開を希望し、これを拒否。その結果、アップル社は独自の
日本語入力システムを開発することになります。
この経緯からもわかるように、EGBRIDGEはアップル社の
日本語入力システムとは異なる独自の進化を遂げてきました。発売当初から高い変換効率とカスタマイズ性を評価され、Macユーザーに長く愛用されました。特にMac OS Xへの移行後も、OSのバージョンアップに迅速に対応し、新機能を積極的に活用することで、高い評価を得ていました。
多様なプラットフォームへの対応と進化
EGBRIDGEは、Macintosh版だけでなく、
MS-DOS版、Windows版、
BeOS版、
HP-UX版など、幅広いプラットフォームに対応していました。ただし、2000年以降はMacintosh版に開発が一本化されました。
数々の賞を受賞
EGBRIDGEは、その高い性能と使いやすさから、数々の賞を受賞しています。
1993年2月:MACLIFE GRAND PRIX '93 日本語入力プログラム部門 グランプリ
1994年2月:MACLIFE GRAND PRIX '94 日本語入力プログラム部門 グランプリ
2006年10月:グッドデザイン賞 商品デザイン部門
これらの受賞歴は、EGBRIDGEがいかに高い評価を得ていたかを物語っています。
長い歴史と後継製品
EGBRIDGEは、長年に渡り多くのユーザーに愛用されてきましたが、2008年1月28日に販売が終了しました。しかし、その開発資産は物書堂社に引き継がれ、事実上の後継製品である「かわせみ」として、現在もその技術が受け継がれています。
EGBRIDGEのバージョン履歴
EGBRIDGEは、長年の間に多くのバージョンアップが行われ、機能が強化されてきました。主なバージョンは以下の通りです。
1985年5月:EgBridge Ver.1.0
1986年10月:MS-DOS用EGBridge Ver.1.0
1988年4月~1990年10月:漢字Talk対応バージョン(Ver.3.0~5.0)
1994年6月:EGBRIDGE Ver.6.0(Windows版同時発売)
1997年2月~1999年12月:Ver.8.0~9.0(Windows、
BeOS版)
2001年7月:EGBRIDGE Ver.12(Mac OS X対応)
2003年3月:EGBRIDGE14(電子辞典標準搭載)
2004年10月:EGBRIDGE15(スマート・インライン変換採用)
2006年3月:egbridge Universal
* 2007年3月:egbridge Universal 2(最終版)
このバージョン履歴からも、EGBRIDGEが常に進化を続け、ユーザーのニーズに応えようとしていたことがわかります。
まとめ
EGBRIDGEは、アップル社の
日本語入力システムに先行し、Macユーザーを中心に長年愛されてきた
日本語入力システムです。高い変換効率とカスタマイズ性、そしてOSへの対応の早さが、その人気の理由と言えるでしょう。販売終了後も、その開発資産は「かわせみ」として受け継がれ、その技術は現在も活かされています。EGBRIDGEの歴史は、
日本語入力システムの進化の歴史の一部として、記憶されるべきでしょう。