エルゴソフト

株式会社エルゴソフトは、かつて存在した日本のソフトウェア開発会社です。1984年に設立され、一時はコーエー（現コーエーテクモホールディングス）の完全子会社でした。特に、Macintoshの日本語環境が整う以前から、日本語ワープロソフト『EGWORD』や日本語入力システム『EGBRIDGE』を開発・販売し、Macintoshの普及に貢献しました。

Macintoshと共に歩んだ歴史

エルゴソフトは、1984年の設立当初からMacintosh向けのソフトウェア開発に注力しました。日本語ワープロソフト『EGWORD』は、当時としては画期的な製品であり、多くのユーザーに支持されました。また、日本語入力システム『EGBRIDGE』も、快適な日本語入力を実現する上で重要な役割を果たしました。1993年には、光栄（現コーエーテクモホールディングス）が株式を100％取得し、同社の完全子会社となりました。

多角的な展開と撤退

1986年以降、エルゴソフトはMS-DOS、DOS/V|DOS_V、BeOS、PlayStation 2など、Macintosh以外のプラットフォームにも進出しました。1994・95年には、『EGBRIDGE』および『EGWORD』をWindowsに対応させましたが、競合製品が多数存在するWindows用ワープロソフト市場での成功は難しく、撤退を余儀なくされました。その後は、キーボード練習ソフトなど、さまざまな分野のソフトウェアをMacintosh・Windows向けに展開しました。

Mac OS Xへの対応とグッドデザイン賞受賞

2001年のMac OS Xへの移行後は、主力製品である『EGWORD』および『EGBRIDGE』のMac OS Xへの対応・最適化に経営資源を集中しました。ヒラギノ（OpenType Proフォント）20,000文字（Adobe-Japan1-5）にいち早く対応したほか、Mac OS Xのバージョンアップ時には即日アップデータを公開するなど、迅速な対応が評価されました。その結果、『EGWORD』は2001・03・04・06年度、『EGBRIDGE』は2006年度のグッドデザイン賞を受賞しました。

パッケージソフト事業からの撤退と解散

しかし、Mac OS Xの日本語環境の成熟などを理由に、2008年1月28日にパッケージソフト事業からの撤退を発表しました。2009年1月末にユーザーサポート期間が終了し、同年3月に解散、その後清算結了しました。

主な製品

EGWORD - 日本語ワープロソフト
EGBRIDGE - 日本語入力システム
もぐらたたキー - キーボード練習ソフト
3D BLOCK - 3次元モデリングソフト

エルゴソフトは、短い期間ではありましたが、日本のソフトウェア業界に大きな足跡を残しました。特に、Macintoshの日本語環境の発展に大きく貢献したことは、特筆に値します。

関連情報
物書堂 - 元エルゴソフトの技術者が設立したソフトウェア開発会社。
外部リンク
エルゴソフト - ウェイバックマシン
エルゴソフト - メディア芸術データベース

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