ENEOS室蘭事業所

ENEOS室蘭事業所

ENEOS室蘭事業所は、北海道室蘭市に所在し、正式には「製造部 室蘭事業所」と呼ばれています。この事業所は1956年に「日本石油精製室蘭製油所」として操業を始め、これまでの多くの歴史的変遷を経てきました。2014年には石油化学製品の製造工場としての役割を果たし始めましたが、2019年に石油製品の製造を停止し、現在は北海道内向けの物流拠点として機能しています。

原料供給の重要な役割を担い、特に伊達市にある北海道電力の伊達発電所へ重油を供給しています。また、韓国の蔚山広域市にある工場にはガソリンや灯油も供給されてきました。室蘭事業所はENEOSの最北端に位置する製造所であり、地域経済に大きな影響を与えています。

事業所の特徴

事業所には高さ180メートルの集合煙突があり、この煙突は市民投票によって選ばれた「室蘭マリンブルー」に彩色されています。2014年11月からはライトアップも行われ、地域のシンボルとしても親しまれています。

主要設備

かつての事業所には、さまざまな製油装置や貯油設備が整備されていました。一例として、ナフサ水素化精製装置や接触改質装置、ベンゼン抽出装置などがありました。これらの装置は、原油の処理能力を大幅に向上させる重要な役割を果たしてきました。特に、最大処理能力が196,000バーレル／日に達した1999年の改修は大きな進展でした。

貯油設備も充実しており、半製品や製品のためのタンクだけでなく、LPGや硫黄のタンクも備えていました。環境保安装置も多くあり、排水処理用のオイルセパレーターやフィルター、消防設備も整備されています。これにより、地域環境の保護にも力を入れています。

歴史的な出来事

室蘭事業所は、数多くの歴史的な出来事を経ています。その中でも特に1965年に発生した「機船ヘイムバード桟橋衝突事件」は記憶に残る重大事故です。原油を積載したタンカーが水先人の運航ミスにより桟橋に衝突し、炎上・爆発が起こりました。事故は27日間続き、乗組員や近隣住民に大きな影響を及ぼしました。この事件は、事業所の安全対策を見直すきっかけとなりました。

現在の運営

2014年以降、室蘭事業所は石油化学製品の製造から物流拠点へとシフトしました。現在では、物流拠点として機能する一方、地域のエネルギー供給にも重要な役割を果たしています。また、国道37号線沿いに位置しており、アクセスも良好で、さまざまな交通手段が利用可能です。

地域住民にとっても、ENEOS室蘭事業所は重要な存在です。このように、長い歴史を持つ室蘭事業所は、その存在意義を改めて問う時を迎えています。

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