EPIC DAY

B'z 19th Album『EPIC DAY』

B'zの19作目のオリジナルアルバム『EPIC DAY』は、2015年3月4日にVERMILLION RECORDSからリリースされました。前作『C'mon』から3年8ヶ月ぶりとなる本作は、海外公演やメンバーのソロ活動期間を経て制作されたため、B'zのオリジナルアルバムとしては過去最長のインターバルとなりました。

アルバム概要

本作には、先行シングル「有頂天」を含む全10曲が収録されています。「Exit To The Sun」「NO EXCUSE」「君を気にしない日など」が初音源化された一方、2012年リリースのシングル「GO FOR IT, BABY -キオクの山脈-」は未収録となりました。特筆すべき点として、9thアルバム『SURVIVE』以来、全収録曲がライブで披露されたことが挙げられます。

記録

オリコンの調査によると、本作はアルバムチャートで首位を獲得し、B'zにとって通算27作目の首位獲得となりました。累計売上枚数は294,329枚を記録し、アルバム総売上枚数は4628.4万枚に達し、自身の持つ『アルバム首位獲得作品数』と『アルバム総売上枚数』の記録を更新しました。

アルバムタイトルについて

タイトルである『EPIC DAY』は、「人生で最高の日」を意味します。稲葉浩志は、このタイトルについて「神がかり的に楽しい日、何かを上手く成し遂げた日といった、人生に一度あるかないかの『EPIC DAY』を目指して日々生きている」という思いを語っています。また、タイトルは稲葉が「EPIC」という言葉の響きと意味に魅力を感じていたことがきっかけであり、スポーツ選手が「神がかったプレー」をした時に使われる表現から着想を得たといいます。

曲数と曲構成について

アルバムは全10曲で構成され、1曲目から5曲目を『SIDE A』、6曲目から10曲目を『SIDE B』と呼称しています。これは、LP盤のアナログレコードにおけるA面とB面を意識したもので、CD盤にもこの表記が採用されています。曲数を10曲に絞ったことについて、松本孝弘は「アルバムをトータルで聴いてもらいたい」という意図を語っています。CD盤では『SIDE A』と『SIDE B』の間に、レコード盤を裏返す時間を想定した空白が設けられています。

制作について

本作の制作は2014年8月から開始されました。アレンジャーには、これまでの寺地秀行に加え、サポートギタリストとしてツアーに参加していた大賀好修が初めて起用されました。レコーディングはロサンゼルスを拠点に2部構成で行われ、前半は打ち込みを主体に進められました。稲葉は、後半のレコーディングに諸事情で参加できず、ロサンゼルスと東京でデータをやり取りしながら制作を進めました。また、デモ制作では、ワンフレーズずつの楽曲を多数作成し、その中から選んだ曲をフルコーラスで制作するという新しい手法が採用されました。

リリース形態

本作は、B'zの作品史上最多となる4つの形態でリリースされました。通常盤はCDのみ、LIVE-GYM 2015盤はライブグッズ付きの完全生産限定LPサイズスペシャルボックス仕様、初回限定盤はライブDVD付きのロングボックス仕様、アナログレコード盤はLP盤とダウンロードカード封入となっています。

収録曲解説

SIDE A

1. Las Vegas
- 『Red Bull Air Race Chiba 2015』テーマソング。曲タイトルは、稲葉が提案した。
2. 有頂天
- 51stシングル。アルバム制作過程の11曲目に完成。
3. Exit To The Sun
- NHKドラマ『ダークスーツ』主題歌。活動再開にあたり最初に発表された楽曲。
4. NO EXCUSE
- 「スミノフアイス」CMソング。CMのために書き下ろされた楽曲。歌詞が一部変更されている。
5. アマリニモ
- H.I.S. CMソング。アルバム制作の初期に制作された。曲後には長めの空白がある。

SIDE B

6. EPIC DAY
- 表題曲。アルバム制作過程の2曲目に制作が開始された。
7. Classmate
- 2012年にレコーディングされた楽曲。リズム隊は日本人ミュージシャンが担当。
8. Black Coffee
- 本作では唯一の3分台の楽曲。
9. 君を気にしない日など
- 2013年のライブツアーでエンディングSEとして使用。2010年録音。
10. Man Of The Match
- アルバム制作過程の最初に制作された楽曲。タイトルは「試合の立役者」を意味する。

初回限定盤DVD

初回限定盤には、2012年のライブツアー『B'z LIVE-GYM 2012 -Into Free- EXTRA』の大阪城ホール公演がフル収録されています。「Love Bomb」「GO FOR IT, BABY -キオクの山脈-」「Ultra Soul」など、配信限定アルバム『B'z』に収録された楽曲のライブ映像が初収録されているほか、ライブでは定番の「ZERO」「ねがい」「Juice」なども収録されています。アンコールラストでは「BLOWIN'」が披露され、この公演のみ「HEAT」が2回演奏されました（2回目の演奏はボーナストラック扱い）。

タイアップ

収録曲は、各方面のタイアップに起用されています。特に、Red Bull Air Race Chiba 2015のテーマソング、NHKドラマの主題歌、CMソングとして広く知られています。

参加ミュージシャン

松本孝弘、稲葉浩志に加え、大賀好修、寺地秀行、シェーン・ガラース、山木秀夫、バリー・スパークス、美久月千晴、小野塚晃、増田隆宣、勝田一樹、佐々木史郎、遠山拓志、五十嵐誠、堂山敦史、小瀧綾、石川寛子with Lime Ladies Orchestra、杉山麻衣子with Lime Ladies Orchestraが参加しています。

ライブ映像作品

収録曲は、ライブ映像作品としてもリリースされており、『B'z LIVE-GYM 2015 -EPIC NIGHT-』をはじめ、様々なライブで演奏されています。「Classmate」は『B'z SHOWCASE 2020 -5 ERAS 8820-』でも演奏されました。

まとめ

『EPIC DAY』は、B'zの音楽性の幅広さと深さを改めて感じさせるアルバムであり、彼らのキャリアの中で重要な作品の一つと言えるでしょう。その制作過程やリリース形態、楽曲解説、ライブ映像など、多岐にわたる情報から、B'zの魅力を再確認することができます。

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