Ecmaインターナショナル

Ecmaインターナショナル（Ecma International）は、情報通信システムに関する国際的な標準化を推進する団体です。その前身は欧州電子計算機工業会（European Computer Manufacturers Association、ECMA）であり、ヨーロッパの計算機システム標準化を目的として1961年に設立されました。

しかし、活動が世界規模に拡大するにつれて、1994年に現在の名称であるEcma Internationalに変更されました。この変更に伴い、「ECMA」という名称はもはや略語としてではなく、団体名の一部として認識されるようになりました。そのため、正式名称は「Ecma International」と表記され、大文字の略語としては扱われません。

Ecmaインターナショナルの本部は、スイスのジュネーヴに置かれています。

Ecma標準の一覧

Ecmaが策定した標準規格は多岐にわたります。以下に代表的なものを挙げますが、国際標準化機構（ISO）や国際電気標準会議（IEC）の第一合同技術委員会（ISO/IEC JTC1）、欧州電気通信標準化機構（ETSI）、日本産業規格（JIS）などの対応規格を中心に記載します。

ISO/IEC 646|ISO_IEC 646 - ECMA-6
ISO/IEC 2022|ISO_IEC 2022 - ECMA-35
ISO/IEC 8859|ISO_IEC 8859 - ECMA-113
ISO/IEC 8859|ISO_IEC 8859-6 - ECMA-114
ISO/IEC 8859|ISO_IEC 8859-7 - ECMA-118
ISO 9660 - ECMA-119
ユニバーサルディスクフォーマット - ECMA-167
ECMAScript - ECMA-262
C# - ECMA-334
共通言語基盤 (CLI) - ECMA-335
ECMAScript for XML (E4X) - ECMA-357
C++/CLI - ECMA-372
Office Open XML - ECMA-376
Open XML Paper Specification (OpenXPS) - ECMA-388
JavaScript Object Notation () - ECMA-404
Dart language specification – ECMA-408

技術委員会

Ecma標準は、様々な技術委員会（Technical Committee、TC）によって管理・策定されています。これらの委員会は、特定の技術領域に焦点を当て、専門家が集まって標準規格を策定します。以下に、代表的な委員会をいくつか紹介します。

TC39 – ECMAScript: JavaScriptの標準規格であるECMAScriptの開発を担当する委員会です。ウェブ開発の基盤となる重要な技術の標準化を行っています。
TC45 – Office Open XML: Microsoft Office文書の標準形式であるOffice Open XMLの標準化を担当する委員会です。文書の相互運用性を高めるための規格策定を行っています。
* TC53 – ECMAScript Modules for Embedded Systems: 組み込みシステム向けのECMAScriptモジュールに関する標準化を担当する委員会です。

まとめ

Ecmaインターナショナルは、情報通信技術の発展を支える重要な標準化団体です。その活動は、ウェブ技術からオフィス文書、組み込みシステムに至るまで、多岐にわたります。Ecmaが策定した標準規格は、世界中の様々なシステムやアプリケーションで利用されており、技術の相互運用性や発展に大きく貢献しています。

外部リンク

Ecma International

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