ISO 9660
ISO 9660は、1988年に国際標準化機構（ISO）によって標準化された、CD-ROMのファイルシステム規格です。この規格は、異なるオペレーティングシステム（OS）間でCD-ROMの互換性を確保することを目的としており、Ecma InternationalのECMA-119、日本工業規格（JIS）ではJIS X 0606に対応しています。
ISO 9660の起源は、1985年にApple、マイクロソフト、ディジタル・イクイップメント・コーポレーション、3M、日立製作所などによって提案された「ハイシエラフォーマット（HSF）」に遡ります。このHSFを基盤として、ISO 9660が策定されました。
ISO 9660では、ファイル名やディレクトリ名に使用できる文字が厳しく制限されており、数字、英大文字、アンダースコア（_）の37種類のみが許可されています。ファイル名には、「0文字以上 + “.” + 0文字以上 + “;” + 1から32767までのバージョン番号」という形式が用いられ、「0文字以上 + “.” + 0文字以上」の部分は合わせて31文字までという制限がありました。また、ディレクトリ名は31文字まで、ディレクトリ階層は8階層までという制限もありました。
さらに、ISO 9660には3つのレベルが規定されており、それぞれに異なる制限が課されています。
ISO 9660 Level 1: ファイル名は「8文字以下 + “.” + 3文字以下 + “;” + バージョン番号」まで、ディレクトリ名は8文字まで。ファイルデータは単一のエクステントしか持つことができません。
ISO 9660 Level 2: ファイルデータは単一のエクステントしか持つことができません。
ISO 9660 Level 3: 追加の制限はありません。
ISO 9660:1988/Amd.1:2013は、ISO 9660規格の最新の追補であり、ファイル名やディレクトリ名の制限を大幅に緩和し、207文字まで使用可能になりました。また、拡張子の必要性がなくなり、ディレクトリ階層の制限も撤廃されました。
ISO 9660の制限を緩和するために、様々な拡張規格が開発されました。
El Torito: 1995年にIBMとフェニックス・テクノロジーズが提唱した規格で、CD-ROMからのブートを可能にします。ちなみに、この規格の名前は、ココス系列のメキシカンレストラン「エルトリート」から取られています。
Rock Ridge: IEEEによって制定された規格で、主にUnix系OSで利用されます。UNIX式のアクセス権設定、シンボリックリンク、デバイスファイル、大文字・小文字の区別、最大255文字のファイル名、8階層以上のディレクトリ作成などをサポートします。ISO 9660と上位互換性があり、Rock Ridge非対応のシステムでもISO 9660 Level 1として読み込めます。
Joliet: マイクロソフトが設計した規格で、UCS-2による文字コード、最大64文字のファイル名、8階層以上のディレクトリ作成をサポートします。ISO 9660との上位互換性があり、Windows 95以降のWindowsやその他のOSで広くサポートされています。
Apple ISO 9660 Extensions: Appleが設計した規格で、CD-ROM上でHFS (HFS+) を利用できるようにします。これにより、HFSのメリットを享受できます。ほぼClassic Mac OSおよびmacOS専用ですが、非対応システムではISO 9660 Level 2として読み込めます。
Romeo: アダプテックが設計した規格で、最大128文字のファイル名をサポートします。ISO 9660との互換性はありません。
規格化はされていませんが、多くのOSの実装では、ISO 9660の規格からの逸脱が許容されています。この点を逆手に取り、意図的に規格から逸脱することで、ISO 9660の厳しい制限を回避する手法も存在します。ただし、互換性は低下します。例えば、ファイル名にd1文字以外の文字を使用したり、複数の「.」を使用したり、あるいは「.」を使用しないなどの逸脱が見られます。また、8階層を超えるディレクトリを作成したり、バージョン番号を省略したりするといった逸脱も可能です。
ISO 9660は、多くのオペレーティングシステムでサポートされていますが、拡張規格のサポート状況はOSによって異なります。これにより、異なるOS間でCD-ROMを共有する際に、ファイル名やディレクトリ構造が正しく認識されないことがあります。
ユニバーサルディスクフォーマット
ディスクドライブ仮想化ソフト
ISOイメージ
Joliet Specification（Jolietの仕様）
* Information technology - Volume and file structure of CD-ROM for information interchange（ISO/IEC 9660:1999の仕様）
歴史
ISO 9660の起源は、1985年にApple、マイクロソフト、ディジタル・イクイップメント・コーポレーション、3M、日立製作所などによって提案された「ハイシエラフォーマット（HSF）」に遡ります。このHSFを基盤として、ISO 9660が策定されました。
水準
ISO 9660では、ファイル名やディレクトリ名に使用できる文字が厳しく制限されており、数字、英大文字、アンダースコア（_）の37種類のみが許可されています。ファイル名には、「0文字以上 + “.” + 0文字以上 + “;” + 1から32767までのバージョン番号」という形式が用いられ、「0文字以上 + “.” + 0文字以上」の部分は合わせて31文字までという制限がありました。また、ディレクトリ名は31文字まで、ディレクトリ階層は8階層までという制限もありました。
さらに、ISO 9660には3つのレベルが規定されており、それぞれに異なる制限が課されています。
ISO 9660 Level 1: ファイル名は「8文字以下 + “.” + 3文字以下 + “;” + バージョン番号」まで、ディレクトリ名は8文字まで。ファイルデータは単一のエクステントしか持つことができません。
ISO 9660 Level 2: ファイルデータは単一のエクステントしか持つことができません。
ISO 9660 Level 3: 追加の制限はありません。
ISO 9660:1988/Amd.1:2013
ISO 9660:1988/Amd.1:2013は、ISO 9660規格の最新の追補であり、ファイル名やディレクトリ名の制限を大幅に緩和し、207文字まで使用可能になりました。また、拡張子の必要性がなくなり、ディレクトリ階層の制限も撤廃されました。
拡張規格
ISO 9660の制限を緩和するために、様々な拡張規格が開発されました。
El Torito: 1995年にIBMとフェニックス・テクノロジーズが提唱した規格で、CD-ROMからのブートを可能にします。ちなみに、この規格の名前は、ココス系列のメキシカンレストラン「エルトリート」から取られています。
Rock Ridge: IEEEによって制定された規格で、主にUnix系OSで利用されます。UNIX式のアクセス権設定、シンボリックリンク、デバイスファイル、大文字・小文字の区別、最大255文字のファイル名、8階層以上のディレクトリ作成などをサポートします。ISO 9660と上位互換性があり、Rock Ridge非対応のシステムでもISO 9660 Level 1として読み込めます。
Joliet: マイクロソフトが設計した規格で、UCS-2による文字コード、最大64文字のファイル名、8階層以上のディレクトリ作成をサポートします。ISO 9660との上位互換性があり、Windows 95以降のWindowsやその他のOSで広くサポートされています。
Apple ISO 9660 Extensions: Appleが設計した規格で、CD-ROM上でHFS (HFS+) を利用できるようにします。これにより、HFSのメリットを享受できます。ほぼClassic Mac OSおよびmacOS専用ですが、非対応システムではISO 9660 Level 2として読み込めます。
Romeo: アダプテックが設計した規格で、最大128文字のファイル名をサポートします。ISO 9660との互換性はありません。
規格の逸脱
規格化はされていませんが、多くのOSの実装では、ISO 9660の規格からの逸脱が許容されています。この点を逆手に取り、意図的に規格から逸脱することで、ISO 9660の厳しい制限を回避する手法も存在します。ただし、互換性は低下します。例えば、ファイル名にd1文字以外の文字を使用したり、複数の「.」を使用したり、あるいは「.」を使用しないなどの逸脱が見られます。また、8階層を超えるディレクトリを作成したり、バージョン番号を省略したりするといった逸脱も可能です。
OSのISO 9660サポート
ISO 9660は、多くのオペレーティングシステムでサポートされていますが、拡張規格のサポート状況はOSによって異なります。これにより、異なるOS間でCD-ROMを共有する際に、ファイル名やディレクトリ構造が正しく認識されないことがあります。
関連項目
ユニバーサルディスクフォーマット
ディスクドライブ仮想化ソフト
ISOイメージ
外部リンク
Joliet Specification（Jolietの仕様）
* Information technology - Volume and file structure of CD-ROM for information interchange（ISO/IEC 9660:1999の仕様）
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