F5 (プロレス技)

F5：破壊力抜群のプロレス技

F5は、プロレスラー、ブロック・レスナーが開発したオリジナル技であり、彼の代名詞とも言える必殺技です。相手をファイヤーマンズキャリーの体勢で持ち上げ、遠心力を利用して旋回させながら、うつ伏せの状態でマットに叩きつけるという、非常にダイナミックな技です。

相手をマットに叩きつける際、レスナー自身も倒れ込みながら相手の頭部をマットに押し付けるため、フェイスバスターとしてのダメージも加わります。この技の最大の特徴は、その受身の取りにくさにあります。予測不能な角度と勢いで叩きつけられるため、プロレスラーの間でも危険な技として知られています。

技のバリエーションと返し技

F5には、いくつかのバリエーションも存在します。例えば、場外で相手を旋回させ、その勢いのままコーナーポストなどの鉄柱に相手の足を叩きつけるという、より危険な派生技も存在します。

一方、F5に対する返し技も存在し、エディ・ゲレロ、ロブ・ヴァン・ダム、カート・アングルといった名レスラーたちは、スイングDDTで切り返したことがあります。

技名の由来と別名

技名の「F5」は、竜巻の威力を示す藤田スケールに由来します。F5の竜巻は、建造物や車、樹木をも吹き飛ばすほどの壊滅的な被害をもたらす規模であり、この技の破壊力を象徴しています。

レスナーは、OVW（オハイオ・バレー・レスリング）時代には、この技を「ジャッカル・イン・イモーション」という名称で使用していました。また、WWE以外のプロレス団体では、「F5」の商標がWWEに保持されているため、この名前を使用することができず、「バーディクト（Verdict：英語で「評決」という意味）」という名称が用いられています。ただし、レスナー以外のレスラーがこの技を使用した場合は、「F5」と呼称されることもあります。また、テレビゲーム『エキサイティングプロレス』シリーズなど、一部のゲームでは「サイクロン（Cyclone）」という名称で収録されています。

主な使用者

F5の主な使用者としては、以下のレスラーが挙げられます。

ブロック・レスナー
竹村豪氏（M9の名称で使用）
秀吉（奈落の名称で使用）
マッスル坂井（バーディクトの名称で使用）
トランザム★リュウイチ（Perfect Fiveの名称で使用）
メーガン・ベーン
ボルチン・オレッグ（バーディクトの名称で使用）

派生技

F5から派生した技としては、以下のようなものが挙げられます。

DOI555（ドイファイズ）：土井成樹のオリジナル技。ファイヤーマンズキャリーの体勢から開脚して尻餅をつきながら前方に落とす変型のF5。
* F10：ウォードローのオリジナル技。ファイヤーマンズキャリーで相手を両肩に担ぎ、その場で横回転しながら勢いよく相手を放り投げて、相手は顔面からマットに叩きつける回転数多めの変形F5。

まとめ

F5は、ブロック・レスナーの強さと破壊力を象徴する、プロレス史に残る必殺技の一つです。その危険性から、近年では使用頻度が減っていますが、今なお多くのプロレスファンに語り継がれています。

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