File Compare

fc (File Compare) コマンドについて

`fc` (File Compare) コマンドは、主にDOS、IBM OS/2、そしてMicrosoft Windowsといったオペレーティングシステムで利用されるコマンドラインツールです。このコマンドは、指定された複数のファイルを比較し、その差異を検出して出力する機能を提供します。Unix系OSにおける`comm`, `cmp`, `diff`コマンドと類似した役割を担います。

歴史

`fc`コマンドは、1980年代のMS-DOS 2.11（例えば、1984/85年のDEC Rainbowリリースなど）からマイクロソフトのOSに標準で搭載されています。Microsoft Windowsのすべてのバージョンにも含まれており、長年にわたりファイルの比較ツールとして活用されてきました。また、IBM OS/2 バージョン2.0にも搭載されていた歴史があります。

さらに、DR-DOS 6.0にも`fc`コマンドは含まれており、FreeDOS環境でもGPLライセンスのもとで使用可能です。この幅広い採用が、`fc`コマンドが様々な環境で広く利用されてきた証と言えるでしょう。

機能詳細

`fc`コマンドは、テキストファイルだけでなく、バイナリファイルの比較にも対応しています。最新のバージョンでは、ASCIIやUnicodeといった様々なテキストエンコーディングに対応しており、異なるエンコーディングのテキストファイルの比較も行うことができます。比較結果は、標準出力に出力されます。

出力形式は、人間が読みやすいように設計されています。そのため、直接的な比較結果の解釈は容易ですが、他のプログラムで`fc`の出力を利用するには、追加の処理が必要になる場合があります。

利用例

`fc`コマンドは、以下のような場面で役立ちます。

プログラム開発: ソースコードの変更箇所を特定する。
ドキュメント管理: 文章ファイルの修正履歴を確認する。
データ分析: データファイルの変更点を洗い出す。
システム管理: 設定ファイルなどの差異を把握する。

注意点

比較対象となるファイルは、同じディレクトリに存在しているか、またはフルパスを指定する必要があります。
出力結果は、相違点を見つけるためには便利ですが、プログラムによる解析には適していません。もしプログラムで利用する場合は、追加の処理が必要となります。

関連項目

ファイルコンペアータ比較
`comp` (コマンド)
DOSコマンドの一覧

参考文献

Cooper, Jim (2001). Special Edition Using MS-DOS 6.22, Third Edition. Que Publishing. ISBN 978-0789725738
John Paul Mueller (2007). Windows Administration at the Command Line for Windows Vista, Windows 2003, Windows XP, and Windows 2000. John Wiley & Sons. ISBN 978-0470165799

外部リンク

fc | Microsoft Docs
* MS-DOS/blob/main/v2.0/COMMAND/FC.ASM'>MS-DOSv2.0に付属するオープンソースFCの実装

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