Fire (インスタントメッセンジャー)

Fireは、Mac OS X（旧OPENSTEP）向けに開発された初期のインスタントメッセンジャーです。このソフトウェアは、IRC、XMPP、AIM、ICQ、MSN、Yahoo! Messenger、そしてBonjourネットワークといった多様なプロトコルに対応していました。Fireの最新バージョンは1.5.6（2006年2月15日時点）で、firetalk、libfaim、libicq2000、libmsn、XMPP、libyahoo2など、全てのサービスがGPLの下で開発・リリースされていました。

しかし、Fireの開発は2007年2月23日に終了がアナウンスされました。公式ホームページによると、開発者の不足とそれに伴うコンポーネント開発の中断が主な理由でした。開発者のうち2名はAdium開発グループに加わり、FireユーザーがAdiumへ移行できるよう尽力しました。このアナウンスには、将来的なIMニーズをAdiumが担うという期待が込められていました。

歴史

Mac OS Xの初期ベータ版時代、Eric PeytonはMac OS Xで動作するIMクライアントを探していました。当時の公式ベンダーはMac OS Xをまだサポートしていなかったため、Peytonは自身が関わっていたOPENSTEPプロジェクト（AIMサーバー接続用のオープンソースライブラリを利用）を拡張することにしました。新しいCocoaライブラリを用いてMac OS Xへの移植を行い、新たなIMクライアントの形が見え始めました。

初期開発は迅速に進み、FireはAppleによってMac OS X v10.0の主要アプリケーションとして認識されるようになりました。当初、Peytonは個人でアプリケーションをホスティングし、開発を行っていましたが、後に「Epicware」という会社を設立し、これにより多くの法的負担が軽減されました。

Fireは、複数のサーバーとの連携を可能にすることを目指しました。まずYahoo! MessengerとICQがサポートされ、その後IRC、MSN、XMPPが追加されました。近年ではBonjourのサポートも行われました。

2001年、Colter ReedがFireの開発に定期的に関与するようになり、Peytonと並んでFireの主要開発者となりました。しばらくの間、彼らはEpicwareのハードウェア上で作業を行っていましたが、最終的にファイルのフリーホスティング、ダウンロード、ミラーサービスを利用するため、プロジェクトをSourceForge.netへ移行しました。そこで公開された最初のバージョンは0.28.aでした。

しかし、2007年2月23日、Fireは開発者不足を理由に正式に開発を終了しました。その技術とアイデアは、後にAdiumへと引き継がれ、多くのユーザーに利用されました。

関連項目

インスタントメッセンジャー

外部リンク

公式ウェブサイト
Fireのフォーラム
MacWorldによるレビュー

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