G1TOWER

G1TOWERについて

G1TOWER（ジーワンタワー）は日本の茨城県ひたちなか市に位置する、日立製作所が建設したエレベーター試験塔です。2010年に完成し、地上高さは213.5メートル、地下深度は15メートルに達しています。このタワーは、日立製作所が「グローバルナンバーワン」のエレベーター技術と製品を生み出すことを目的に建設されました。また、2011年には第24回茨城建築文化賞県知事賞を受賞しています。

G1TOWERは、建設時においては史上最も高いエレベーター試験塔とされ、2015年まではその地位を保持していました。今日においても、世界第7位、日本企業によるものとして第2位、日立グループ内で第2位、日本国内では最も高いエレベーター試験塔という位置づけを持っています。

構造と設計

G1TOWERは、鉄筋コンクリート構造に加えて、一部に鉄骨鉄筋コンクリートおよび鉄骨の構造を採用しています。最高高さ213.5メートルのうち、躯体自体は203メートルを占め、地上9階建てです。塔の中心には矩形のメインコアウォールがあり、低層部では十字形の平面となっています。この設計により、エレベーター試験用のシャフトを両側に配置し、安定性を高めています。

また、地上110メートルから140メートルの高さには風孔が設けられ、500年に一度の暴風に耐えうる設計がなされています。風洞実験の結果、1,000年に一度の暴風に対しても安全性が確認されています。地下部分は15メートルの深さにおいて、直径43メートルの円筒形のコンクリート基礎が堅固な岩盤に直接埋め込まれています。

研究活動

G1TOWERは、超高速エレベーターや大容量エレベーターの開発に向けた実証実験施設としても利用されています。具体的には、世界最速の定格速度毎分1,080メートルを記録する超高速エレベーターの開発が行われています。さらに、振動を抑えるアクティブガイド装置や気圧調整装置など、新しい技術の開発にも力を入れています。

また、定員約70名、積載質量5トン、定格速度毎分600メートルの大容量エレベーターの開発も進めており、ダブルデッキエレベーターの設計や階床間高さを調整する装置に関する実験も行われています。

歴史的背景

G1TOWERが建設される以前の日立製作所では、エレベーター技術の研究が続けられており、1960年代には水戸工場に90メートルのエレベーター研究塔が設置されました。さらに1993年には、定格速度毎分810メートルのエレベーターが完成するなど、日立のエレベーター技術は進化してきました。

日立製作所は1990年代から2000年代にかけて、超高層建築や大容量エレベーターの需要が高まる中、世界市場における競争に直面していました。このような背景のもと、G1TOWERの建設が決定され、設計および施工は日立グループの建設コンサルタントやゼネコンによって行われました。

G1TOWERは、日立製作所のエレベーター開発における重要な拠点として、今後も企業の競争力向上や新技術の試験に寄与する場所となることでしょう。

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