GAU-12 イコライザー

GAU-12イコライザーについて

GAU-12イコライザーはアメリカのゼネラル・エレクトリック（GE）社が手掛けた25mm口径、5砲身のガトリング砲です。この砲はその高性能により、アメリカだけでなく、イギリスやNATO加盟国でも採用されています。主に戦闘機や装甲戦闘車両に搭載されて使用される本砲は、特にその連射能力と精度が評価されています。

歴史的背景

GAU-12の開発は1950年代から始まります。航空機における火力向上の要求が高まり、GE社は既存のガトリング砲を基に新たなモデルを開発しました。最初のモデルは1957年に制式化されたM61「バルカン」であり、その後もGAU-8/A「アヴェンジャー」などが登場しました。

1970年代には、アメリカ海兵隊がAV-8A攻撃機を配備する中でその兵装が改良され、信頼性と破壊力が求められることから、GAU-12の開発が進められました。特に、オペレーションの安全性を考慮し、新たな航空機関砲の必要性が強く感じられました。これに応じて、1978年に25mmの新型ガトリング砲の開発が始まり、1981年には初の量産契約が交わされました。

構造と機能

GAU-12は、既存のM61およびGAU-8/Aの動作機構を踏襲しつつ、弾薬を25×137mmに変更し、砲身数を5本にしています。この構造は、各砲身が個別の遊底を持ち、それぞれが外部動力で回転しながら射撃を行う仕組みです。射撃の際は、まず砲弾が薬室後方に送られ、次に装填、閉鎖、開放、抽筒、蹴出の順に操作が行われます。

送弾機構は、リンクレス式のコンベアを使用し、箱型の弾倉に収容された弾薬が使用されます。発射後の薬莢は弾倉に回収され、機体のバランスを保つ役目も果たしています。

派生型のGAU-22/A

さらに、GAU-12の派生型としてGAU-22/Aが開発されました。これは、F-35統合打撃戦闘機に搭載されるために設計されたもので、4本の砲身で構成されています。GAU-12に比べて軽量化されており、発射速度はやや減少したものの、命中精度の向上が図られています。また、GAU-22/A用の特別な弾薬も開発されています。

現在の実装

GAU-12は、まずAV-8B攻撃機に搭載されて広く使用されるようになりました。その後、AC-130U スプーキー II攻撃機などにも採用され、弾庫容量も増加しています。また、LAV-AD自走式対空砲や艦載型としての試みもありましたが、現在のところアメリカ海軍での艦載化は実現していません。

映画やゲームなどでの存在

このガトリング砲は映画やアニメ、ゲームなどに多く登場しており、F-35やAV-8Bに搭載される武器としての印象を与えています。たとえば、映画『トゥルーライズ』ではテロリストへの攻撃に使用され、その派手な表現から多くの人々に知られる存在となっています。また、ゲーム『コールオブデューティ』シリーズでもアクションシーンの一部として取り上げられています。

結論

GAU-12イコライザーは、その優れた性能と信頼性から、数十年にわたり様々な場面で活躍している重要な兵器です。今後もその技術の進化と新たな搭載機への採用が期待されています。

もう一度検索