GAZ-2330 ティーグル

GAZ-2330 ティーグルの概要

GAZ-2330 ティーグルは、ロシアの自動車メーカーGAZによって製造されている全地形対応の軍用車両です。2006年から、ロシア連邦軍において運用が始まり、軽装甲または非装甲の選択肢が存在します。この車両は、

4輪駆動のSUVとして民間市場でも販売されており、その名はロシア語で「トラ」を意味する「ティーグル」から付けられています。初期の試作車にはGAZ-2975という形式名がありましたが、最終的にGAZ-2330という形で量産されました。

歴史的背景

ティーグルの開発は、アラブ首長国連邦の要求を受けて1999年に開始されました。そして2000年にはGAZ-2975として最初の試作車が完成し、アブダビ国際防衛展示会で初公開されます。この試作車はUAEでのテストで良好な成績を収めたものの、量産契約には至りませんでした。その後、GAZは改良を加え、GAZ-2330として新たな試作車を製造。ロシア連邦軍でのテストでも好評を得た結果、2004年から2005年にかけて初の量産車96両が発注され、2006年には正式にロシア軍に配備されました。

車両の仕様

ティーグルは、アメリカ軍のハンヴィーとほぼ同等のサイズを持ち、約1.5トンの積載能力があります。異なる用途に応じて多様なボディスタイルが用意されており、各種作戦に柔軟に対応できます。搭載されるエンジンには、米国カミンズ製ターボディーゼルや自社製のGAZ-562ターボディーゼルがあり、改良型ではYaMZ-534ディーゼルエンジンが採用されています。武装のオプションとして、PKPペチェネグ7.62mm機関銃やAGS-17 30mmグレネードランチャーが搭載可能です。

車両のバリエーション

ティーグルには多数のバリエーションが存在します。例えば、最初の試作型GAZ-2975、基本のGAZ-2330、多目的のGAZ-23304、さらには4ドアや2ドアのピックアップモデル、さらには特殊任務に特化したモデルも多数展開されています。特に、GAZ-233036「SPM-2」は高い防弾性能を誇り、内務省や特殊部隊に配備されているなど、多様な利用が進められています。

運用国と実績

ロシアでは約500両が配備されており、陸軍や海軍の歩兵部隊で使用されています。そのほか、アルメニアやコンゴ、ニカラグアなどの国々でも採用されており、国際的な防衛協力の一翼を担っています。また、評価試験としてブラジルやインドでも導入例があり、さらなる展開が期待されます。

映画やゲームにおける登場

近年では、映画『オーガストウォーズ』や『TENET テネット』などで実物が使用されるほか、ゲーム『コール オブ デューティ』シリーズや『ゴーストリコン フューチャーソルジャー』などでも登場し、その存在感を示しています。

このようにGAZ-2330 ティーグルは、多様な仕様・運用形態を持つ柔軟な軍用車両として、現在も多くの国で実績を残している重要な装備です。

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