AGS-17

AGS-17 プラミヤ概要

AGS-17 プラミヤは、ソビエト連邦によって設計された自動擲弾銃です。名前は「Автоматический Гранатомет Станковый」の頭文字を取り、ロシア語で「炎」を意味する「プラミヤ」が愛称として使われています。この銃は、その独自の設計と高い機動性により、様々な戦場で使用されています。

構造

AGS-17が使用する弾薬は、30×29mmのVOG-17破片榴弾であり、これは西側で一般的な40x53mm弾よりも小型です。30発のVOG-17を金属ベルトで連結したドラムマガジンを使用し、実際には29発しか射撃できません。発射モードは、半自動、全自動、5発バースト、10発バーストの4種類を選べます。

本体後部にあるT型ハンドルを引くことで、ボルトが後退し、射撃可能な状態になります。トリガーは押金式であり、T字型の握把を利用して弾道を調整することができます。また、AGS-30用の改良型弾薬であるVOG-30も使用可能です。

AGS-17は西側のMk.19と比較すると射程では劣りますが、弾薬が小さいため発射速度が速く、全体重量は半分程度で運搬や移動が容易です。バレル上部には各射距離における弾道表があり、アイアンサイトでは最大800m、PAG-17光学照準器を使用すると最大1,700mまで照準が可能です。通常は6T8三脚架に設置して使用されますが、装甲車両へも搭載可能で、さらにはヘリコプターの昇降扉や艦艇に取り付けることもできます。

運用

ソ連における自動擲弾銃の開発は1968年に始まり、1971年に正式装備として採用されました。アフガニスタン侵攻時には、装甲車両に近づくムジャーヒディーンに対して高威力を発揮し、BMP-1やMT-LB、BMD-1などの車体にはAGS-17を搭載するための改造が行われました。その後、チェチェン紛争などでも広く導入され、多数の局所戦争で運用されています。現在、ロシア連邦のヴャーツキエ・ポリャーヌイ市のモーロト工場で生産が続けられており、ロシア以外ではブルガリアやユーゴスラビアでも生産が行われています。

派生型

AGS-17にはいくつかの派生型が存在します:

• - AG-17A: Mi-8 ヘリコプターに設置可能な航空機搭載型です。
• - AG-17M: 艦艇用に設計された艦載型です。
• - KBA-117: リモート武器ステーション（RWS）搭載用です。
• - アルクス AGS-17: ブルガリアのアルクス社が製造。弾薬にはRHV-HEF高性能榴弾などを使用。
• - ツァスタバ BGA-30/M93: ユーゴスラビアのツァスタバ社製。全長が925mmに延長されています。

まとめ

AGS-17 プラミヤはその高い機動性と発射性能により、戦場での重要な武器として位置づけられています。様々な派生型が存在し、用途は多岐にわたりますが、その基本的な性能や設計思想は変わらず、現在も多くの場所で使用されています。

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