GDL

GDL（Geometric Description Language）とは

GDL（Geometric Description Language、幾何記述言語）は、建築設計CADソフトウェアであるArchiCADのライブラリオブジェクトをプログラミングするための言語です。GDLで作成されたオブジェクトのファイル形式はGSMとなります。この言語を用いることで、ArchiCADの機能を拡張し、ユーザーのニーズに合わせたカスタマイズされたオブジェクトを作成することができます。

GDLの特徴

GDLのオブジェクトは、AutoCADのブロックに似ていますが、最も大きな違いはそのパラメトリックな性質にあります。パラメトリックとは、オブジェクトの寸法や形状をパラメータで制御できることを意味します。これにより、オブジェクトのサイズや形状を柔軟に変更することが可能となり、設計の効率が大幅に向上します。

さらに、GDLは2次元と3次元の機能が連動しており、断面図では側面、平面図では上面、3Dモデルでは投影図といったように、どの視点から見ても正確な表現を得ることができます。このため、設計者は異なる視点からオブジェクトを検証し、矛盾のない設計を行うことができます。

GDLスクリプトの主な役割は、ArchiCADのライブラリ部品を定義することです。具体的には、3Dモデル、3Dモデルからの断面/立面および平面の投影、2Dシンボル、UI表示、リスト情報などを定義できます。これにより、設計者は家具、窓、ドア、樹木、人物、車、建設部材といった様々なオブジェクトを自由に作成し、ライブラリに登録して再利用することができます。

GDLの活用

ArchiCADには、家具、窓、ドア、樹木、人物、車、建設部材などのデフォルトライブラリが付属していますが、GDLを使用することで、これらのデフォルトライブラリには含まれていないような、より詳細で多様なオブジェクトを作成することも可能です。また、一部の企業では、GDLで作成された高品質なパラメトリックオブジェクトを販売しており、設計者はこれらのオブジェクトを購入することで、より高度な設計を行うことができます。

GDLのライセンスとツール

GDL自体は無償で提供されています（ただし、ArchiCAD本体は有償）。GDLのオブジェクトライブラリを開発するためのツールとして、グラフィソフト社が提供するLP_XMLConverterやGDL Web Plug-Inなどの無償ツールを利用することができます。これらのツールを使用することで、GDLのスクリプトの編集やオブジェクトの管理を効率的に行うことができます。

GDLの技術情報

GDLプログラム言語は、BASICに似た構文や論理構造を持っています。GDLの2Dおよび3Dでは、全てのモデル要素がローカル座標にリンクしています。オブジェクトを配置する際には、まず座標を必要な位置に移動し、その後要素を生成します。この座標の移動、回転、伸縮は「変換（数学）」と呼ばれ、変換はスタックとして保存され、さらに変換を行ったり、変換の一部を削除したりすることが可能です。

GDLは下位互換性を持っており、ArchiCADライブラリ部品をあるバージョンのArchiCADで作成した場合、その後のバージョンでは開くことができますが、それ以前のバージョンで開くことはできません。GDLに関する詳細な技術情報については、ArchiCAD最新版の「GDLリファレンスマニュアル」を参照してください。

関連情報

ArchiCADライブラリ部品: GDLで作成されたオブジェクトの集合体。
ArchiCAD: GDLが使用される建築設計CADソフトウェア。
グラフィソフト: GDLおよびArchiCADの開発元。

外部リンク

Graphisoft R&D: 開発会社ハンガリー本社
https://graphisoft.com/
グラフィソフト ジャパン株式会社: 開発会社日本支部
https://graphisoft.com/jp/
ArchiCAD Wiki:
https://helpcenter.graphisoft.com/knowledgebase/15933/
* オブジェクトデポジトリ: (海外サイト)
https://bimcomponents.com/

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