GIRL IN THE BOX〜22時までの君は…

角松敏生「GIRL IN THE BOX〜22時までの君は…」：ニューヨークでのレコーディングと新たな境地

1984年、角松敏生は自身のキャリアにおいて重要な転換点を迎える作品を発表します。それが5枚目のシングル「GIRL IN THE BOX〜22時までの君は…」です。この曲は、同年10月5日にリリースされ、角松が初めてニューヨークでレコーディングを行った記念碑的な作品となりました。

ニューヨークでのレコーディングは、角松の音楽性に大きな影響を与えました。彼は後に、このニューヨークでの経験が自身の音楽家としてのその後の人生を決定づけたと語っています。1984年から1988年にかけて、角松はニューヨークを拠点に音楽活動を展開し、この地で培われた経験は、彼の音楽的探求を大きく前進させる原動力となりました。

「GIRL IN THE BOX〜22時までの君は…」は、オリジナルアルバムには未収録でしたが、その後のベストアルバム『1981-1987』に収録され、広く聴かれる機会を得ました。角松自身にとっても、この曲は特に思い入れの強い曲であり、長年に渡りライブで演奏され続けている、彼の代表曲の一つと言えるでしょう。2012年にはリメイク・ベストアルバム『REBIRTH 1 〜re-make best〜』にも収録され、新たなアレンジで再び注目を集めました。

カップリング曲の「GET DOWN」は、ギルバート・オサリバンの曲を角松がカバーした作品です。角松はギルバート・オサリバンの大ファンであったそうで、ニューヨークのダンサータイプのミュージシャンに演奏してもらいたいというアイデアを実現した楽曲です。この曲もオリジナルアルバムには未収録でしたが、『1981-1987』への収録により、多くのリスナーに聴かれるようになりました。

さらに、1984年11月21日には、「GIRL IN THE BOX〜22時までの君は…」のロングバージョンとアルバム『AFTER 5 CLASH』からの楽曲「STEP INTO THE LIGHT」のロングバージョンを収録した12インチシングルもリリースされました。この12インチシングルは、角松がダンスミュージックへの強い関心を示した作品でもあり、後のクラブミックスをまとめたコンピレーションアルバム『T's 12 INCHES』にも収録されています。角松は、12インチシングル制作について、「もともとダンス・ミュージックをやりたかったから、ディスコでオンエアされやすいという意味で12インチ・ディスコ・ミックスを作った。」と語っており、ダンスミュージックへの情熱と、その音楽が持つ文化的意義を強く意識していたことがわかります。

「GIRL IN THE BOX〜22時までの君は…」は、単なる楽曲を超えて、角松敏生の音楽家としての転換期、そして彼の音楽的探求の深まりを示す重要な作品です。ニューヨークでのレコーディング、そしてダンスミュージックへのアプローチという、新たな試みは、後の彼の作品にも大きな影響を与え、現在の彼の音楽スタイルを形作る上で重要な要素となっています。このシングルは、角松敏生の音楽史において、重要な位置を占める作品と言えるでしょう。

参加ミュージシャン

両楽曲共に、多くの実力派ミュージシャンが参加しています。特に「GIRL IN THE BOX〜22時までの君は…」は、豪華な布陣で制作されています。ニューヨークのセッションミュージシャンを中心に、角松敏生自身の才能と、彼を取り巻く才能豊かなミュージシャンたちの協働により生み出された名曲と言えるでしょう。それぞれの楽器パートを担当したミュージシャンの名前を挙げ、その卓越した演奏技術と貢献に敬意を表します。

まとめ

「GIRL IN THE BOX〜22時までの君は…」は、角松敏生の音楽キャリアにおける重要な作品であり、彼の音楽的探求の深さと、ニューヨークという新たな環境への挑戦、そしてダンスミュージックへの情熱が凝縮された一枚です。この曲は、角松敏生というアーティストの個性と才能を鮮やかに示し、彼の音楽史に深く刻まれた、記念碑的な作品と言えるでしょう。このシングルとその12インチバージョンは、彼の音楽性を理解する上で、欠かせない作品です。

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