GJ 1151

GJ 1151

GJ 1151は、地球から約26.2光年離れたおおぐま座の方向にある赤色矮星です。スペクトル分類はdM4.5に属し、その名の通り赤みがかった色合いをしています。非常に暗い恒星であり、見かけの等級は14.0等級であるため、肉眼で観測することはできません。

この恒星は比較的大きな固有運動を示しており、視線速度は秒速マイナス36キロメートルです。自転速度は秒速2.0キロメートルと測定されています。物理的な性質としては、太陽のわずか15.4パーセント程度の質量と、19.0パーセント程度の半径を持っています。表面の有効温度はおよそ3143ケルビンと推定されており、これは太陽に比べてかなり低温であることを示しています。年齢は約25億年とされており、太陽系より若い恒星であると考えられています。

惑星系

GJ 1151系は、その周囲を公転する惑星の存在を巡る探査と議論が活発に行われています。

2020年、天文学者たちはGJ 1151からの特異な電波放射の検出を発表しました。この電波は、恒星が地球とほぼ同サイズの惑星と磁気的に相互作用している結果である可能性が指摘されました。仮説では、この惑星は1日から5日程度の短い公転周期を持つとされ、ちょうど木星とその衛星イオの間で見られるような、強力な磁気的結合による放射現象に類似していると考えられました。

翌2021年には、ドップラー分光法を用いたGJ 1151系の惑星探査に関する二つの研究結果が、わずか1か月間隔で公表されました。一方の研究は、電波放射の発見を裏付けるかのように、最小質量が地球の2.5倍程度で公転周期が約2日の惑星候補を検出したと主張しました。しかしながら、もう一方の研究は、この候補惑星の存在を確認することができませんでした。この研究では、検出された約2日周期の信号は、実際にはより遠い軌道を公転する未知の惑星に関連する、長期的な速度変動の一部である可能性が高いと結論付けました。さらに、この二番目の研究では、公転周期が1日から5日の範囲に存在する可能性のある未検出惑星の最小質量について、地球の0.7倍から1.2倍以下であるとする上限値を提示しました。

探査はさらに進み、2023年には新たな惑星が発見されました。この惑星はGJ 1151 bと名付けられ、その最小質量は地球の10.6倍程度、公転周期は約390日という、比較的長い軌道を持つことが明らかになりました。この発見によって、GJ 1151系に複数の惑星が存在する可能性が高まりました。ただし、2020年の電波放射と関連付けられた短周期惑星の存在については、2023年の研究でも完全に排除されることはありませんでした。もしそのような惑星が存在するならば、その最小質量は地球の1.2倍未満である必要があるとされています。

現在の観測からは、GJ 1151系にはGJ 1151 b以外の巨大惑星や、伴星となる他の恒星、あるいは褐色矮星などは存在しないと見られています。短周期の候補惑星については未確定な要素が多く、今後のさらなる観測による検証が待たれます。GJ 1151系は、特に赤色矮星における磁気活動と惑星の相互作用、そしてドップラー分光法による惑星検出の限界と多様な解釈を示す興味深い事例として注目されています。

関連項目

2020年に発見された太陽系外惑星の一覧

赤色矮星

ドップラー分光法

太陽系外惑星

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