2020年に発見された太陽系外惑星の一覧

2020年に発見された太陽系外惑星の一覧

2020年は、太陽系外惑星の発見において非常に実り多い年でした。様々な観測機器や手法を駆使し、多くの新しい惑星が発見され、その多様性が明らかになりました。

主な発見

2020年には、TESS（Transiting Exoplanet Survey Satellite）やスーパーWASP（Wide Angle Search for Planets）、OGLE（Optical Gravitational Lensing Experiment）、KMTNet（Korea Microlensing Telescope Network）、HATネット（Hungarian Automated Telescope Network）などの観測プロジェクトによって、数多くの太陽系外惑星が発見されました。これらの惑星の中には、生命が存在できる可能性のあるハビタブルゾーンに位置するもの、連星を周回する惑星、自由浮遊惑星、かつての巨大惑星の核であると考えられているクトニア惑星、そして銀河系外惑星の候補まで、非常に多様なタイプが含まれています。

月ごとの主な発見

1月
TESSによって、TOI-700星系に3つの惑星（b、c、d）が発見されました。特に惑星dはハビタブルゾーン内に位置しており、生命存在の可能性が期待されています。
ESO（ヨーロッパ南天天文台）の観測データ分析により、GJ 180 d、GJ 229 Ac、GJ 433 d、GJ 3082 bの4つの太陽系外惑星が発見されました。このうち、GJ 180 dとGJ 229 Acはハビタブルゾーンに位置しています。
TESSによって、2020年最初の周連星惑星となるTOI-1338 (AB) bが発見されました。この惑星は連星の影響で公転周期が変動しています。
2月
2MASS J1155-7919 bという、木星の10倍の質量を持つ若い巨大惑星が発見されました。この惑星は、主星から非常に遠い距離を公転しています。
3月
TESSの観測により、銀河系の厚い円盤領域に位置する初の惑星LHS 1815 bが発見されました。
クトニア惑星候補であるTOI-849 bがTESSによって発見されました。これはかつての巨大惑星の核であると考えられています。
4月
ケプラー宇宙望遠鏡の過去の観測データから、ハビタブルゾーン内の惑星ケプラー1649cが発見されました。この惑星は地球に大きさと温度が似ているとされています。
5月
VLT（超大型望遠鏡）のESPRESSOによる観測で、プロキシマ・ケンタウリの周囲に惑星候補プロキシマ・ケンタウリdが存在する可能性が示されました。
6月
太陽に似た恒星ケプラー160の周囲に、新たにケプラー160dと惑星候補ケプラー160e（KOI-456.04）が発見されました。特にケプラー160eはハビタブルゾーンに位置し、地球に近い公転周期を持つとされています。
若い前主系列星であるけんびきょう座AU星の周囲に惑星けんびきょう座AU星bが発見されました。
7月
HATネットによって7つの惑星が発見されました。これらの惑星はすべてホット・ジュピターです。
GJ 3470の2番目の惑星であるGJ 3470 cが発見されました。この惑星は土星のような惑星で、ハビタブルゾーンに位置しています。
2020年初の自由浮遊惑星候補として、KMT-2019-BLG-2073とOGLE-2019-BLG-0551の2つが発見されました。この発見により、2020年の発見惑星数が100個に達しました。
太陽に似た恒星TYC 8998-760-1の周囲を公転する惑星が直接撮影され、TYC 8998-760-1 cが発見されました。
K2ミッションの観測データ分析で12個の惑星が発見されました。
8月
低質量の超低温矮星TVLM 513-46546の周囲に、木星型惑星TVLM 513-46546 bが発見されました。超低温矮星の周囲に木星型惑星が形成されることは非常に珍しいとされています。
ドップラー分光法を用いた観測で11個の新たな惑星が発見され、これらの惑星は地球から比較的近い赤色矮星の周囲を公転しています。
重力マイクロレンズ法を用いた観測で4個の新たな惑星が発見されました。
機械学習アルゴリズムを用いたケプラー宇宙望遠鏡の観測データ解析から、新たに50個の太陽系外惑星が確認されました。
9月
8.6メガパーセク離れた位置にある子持ち銀河の中に、銀河系外惑星候補M51-ULS-1bが存在する可能性が示唆されました。
重力マイクロレンズ法を用いた観測で、自由浮遊惑星候補OGLE-2016-BLG-1928が発見されました。この惑星は非常に小さい惑星です。
12月
けんびきょう座AU星の2番目の惑星、けんびきょう座AU星cが発見されました。

一覧

2020年には、合計で234個の太陽系外惑星が発見され、その存在が確定しました。

特記事項

惑星の質量は、地球質量（M⊕）または木星質量（MJ）で表示され、半径は地球半径（R⊕）または木星半径（RJ）で表示されます。
距離は、光年（ly）またはパーセク（pc）で表示されます。
惑星の発見方法は、ドップラー分光法（RV）、トランジット法（T）、直接撮像法（I）、重力マイクロレンズ法（M）などが用いられています。
惑星のタイプは、色分けによって区別されています。

これらの発見は、私たちの太陽系外に存在する惑星の多様性と、生命が存在できる可能性のある場所を探求する上で、非常に重要な進展です。今後の研究によって、これらの惑星の特性や、生命の兆候がさらに明らかになることが期待されます。

参考文献

Confirmed Planets - NASA Exoplanet Archive
The Extrasolar Planet Encyclopaedia Catalog - The Extrasolar Planet Encyclopaedia
系外惑星データベース - ExoKyoto
Exoplanet Catalog - Exoplanet Exploration: Planets Beyond our Solar System (NASA)
NASA Exoplanet Archive

関連項目

太陽系外惑星
太陽系外惑星の発見方法
居住するのに適した太陽系外惑星の一覧

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