GJ 1245

GJ 1245星系（はくちょう座V1581星）

GJ 1245、またははくちょう座V1581星は、はくちょう座の方向約15光年の距離に位置する三重連星系です。この星系は、GJ 1245 A、GJ 1245 B、そしてGJ 1245 Cの3つの恒星で構成されており、いずれも太陽に比べて暗く、小さい赤色矮星です。

発見

この星系は、1930年代に天文学者ギクラスらが行った固有運動の大きい恒星の捜索中に発見されました。当初は二重星として認識され、ギクラスのカタログではG 208-44とG 208-45という符号が与えられました。その後の観測で、年周視差と固有運動が詳細に測定され、この二つの恒星が連星系を形成しており、太陽系に比較的近いことが判明しました。また、それぞれの恒星の質量が太陽の約1割程度と小さいこと、連星系の公転周期が約700年であることが推定されました。

1975年には、フレアによる急激な増光が観測され、その特徴がくじら座UV星に似ていることから、閃光星であると考えられるようになりました。これにより、はくちょう座V1581星という変光星名も与えられました。さらに詳しい観測の結果、主星と伴星の両方が閃光星であることが明らかになりました。1988年には、スペックル・イメージング技術によって、G 208-44自体も連星であることが判明しました。発見当時、GJ 1245星系は太陽系から2番目に近い三重連星系でした。

特徴

GJ 1245星系は、主星Aと伴星Cが近い距離（約2.7AU）で互いに公転しており、その周期は約15年と推定されています。この二つの星の周りを、比較的離れた場所に伴星Bが公転しており、その距離は約40AU、公転周期は約700年とされています。星系を構成する3つの恒星はいずれもM型の赤色矮星で、質量は太陽の1割程度と小さいです。特に伴星Cは、推定質量が約0.074太陽質量と非常に小さく、質量が小さい恒星の一つとして知られています。

この星系は、ケプラー宇宙望遠鏡の観測領域内に位置しているため、詳細な追跡観測が行われています。光度曲線の変化から、主星Aの自転周期は約6時間半、伴星Bは約17時間と推定されています。質量やスペクトルが類似している2つの恒星で、自転速度に大きな差が見られるのは興味深い点です。また、フレアの発生頻度は、主星Aが1日に約3回、伴星Bが1日に約2.6回と、主星Aの方が活発であることがわかっています。

主星Aの自転速度が速く、伴星Bの彩層活動が活発であることから、GJ 1245星系は比較的若い星系であり、その年齢は20億年以下であると考えられています。

関連情報

関連項目
近い恒星の一覧
質量の小さい恒星の一覧
外部リンク
V1581 Cygni
“VSX: Detail for V1581 Cyg” - AAVSO
ARICNS 4C02235
ARICNS 4C02236
* ARICNS 4C02237

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