GLOCOM

GLOCOM（グローコム）について

GLOCOM（グローコム）は、国際大学の研究機関として、国際大学グローバルコミュニケーションセンターに属しています。この組織は、一般の学生に対する教育活動は行っていないものの、民間企業や他の団体との共同研究を通じて活動しています。資金調達の手段としてプロジェクトを推進し、近年は情報社会やインターネットに関連する多様な研究を展開しています。

歴史

GLOCOMの設立は1991年に遡ります。その前段階として、1988年に発生した東大駒場騒動により、村上泰亮や公文俊平らのような研究者が東大を去ったことが背景にあります。初代の所長には、村上泰亮が就任しました。彼のリーダーシップの下、GLOCOMは日本社会における国際的な交流の拠点としての役割を果たし、政治、経済、文化に関する政策の国際比較を学際的な視点で研究することを目指しました。

しかし、1993年に村上が逝去した後は、公文俊平が二代目所長としてその後の活動を担い、2006年までその代表職を務めました。公文はインターネットと情報社会についての研究に注力し、その結果、90年代から00年代にかけて多くの社会科学系研究者がGLOCOMを拠点に活動しました。

2006年以降は、元富士ゼロックス代表の宮原明が所長に就任し、以後、庄野次郎（2012年）、前川徹（2016年）、松山良一（2019年）と、ダイナミックなリーダーシップの下で運営されています。

評価と成果

GLOCOMはその研究成果により国際的にも評価を受けています。特に、2014年に米国ペンシルバニア大学が発表した「世界有力シンクタンク評価報告書」では、GLOCOMは「科学・技術」部門において世界31位にランクインしました。この評価は、彼らの研究の質と影響力を物語っています。

主なプロジェクト

GLOCOMにはいくつかの重要なプロジェクトがあります。以下にその一部を紹介します。

• - クリエイティブ・コモンズ・ジャパン: 世界的な著作権運動であるCreative Commonsの日本支部が2003年に設立され、2006年以降はGLOCOMから独立しました。
• - ised: この研究会は2004年から2005年にかけて開催され、若手論客による情報社会の倫理と設計についての議論を促進しました。議事録はウェブ上で公開されています。
• - 地域SNS研究会: 2006年に設立され、地域社会や人々のつながりに関する研究を促進。実践者や研究者が参加しています。
• - GLOCOM Platform: 日本の政策論争や情報社会に関する議論を翻訳し、海外に発信する役割を果たしています。このプラットフォームは、海外の研究者にとって日本情報の重要な発信源となっています。
• - 智場: GLOCOMが年に数回発行する機関誌であり、「web2.0」や「情報通信産業」など、さまざまな情報社会に関連したテーマを特集しています。

研究者と関係者

GLOCOMには、90年代から現在に至るまで多くの著名な研究者や活動家が関わっています。初期のメンバーには、情報通信分野の研究者として活躍する土屋大洋や田中辰雄、ジャーナリストの中島洋や前川徹などがいます。近年は、メディア系の影響力を持つ言論人も多く加わっており、情報社会における様々な議論を展開しています。

また、GLOCOMは東京大学情報学環や慶應SFC、多摩大学といった大学との連携も深く、学際的な視点からの研究が特徴的です。

結論

GLOCOMは、日本における情報社会やインターネットに関連する研究の中心的な存在として、様々なプロジェクトを通じてその存在感を発揮しています。彼らは、国内外の議論に貢献し、研究を深化させるための重要な役割を果たしています。

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