GO GOES ON!〜HIROMI IN U.S.A〜

『GO GOES ON!〜HIROMI IN U.S.A〜』：郷ひろみの初海外公演を記録した歴史的名盤

1976年、日本のポップミュージックシーンを牽引していた郷ひろみは、アメリカ合衆国カリフォルニア州ロサンゼルスのスコティッシュ・ライト・オーディトリアムで初の海外ワンマンライブを開催しました。その模様を収めた2枚組ライブアルバム『GO GOES ON!〜HIROMI IN U.S.A〜』は、彼のキャリアにおいても重要な作品であり、日本のポップミュージック史に刻まれた貴重な記録と言えるでしょう。

前作のアルバムから2ヶ月という短いインターバルでリリースされた本作は、ライブアルバムとしては約1年8ヶ月ぶりの作品となりました。このアルバムは、Part1とPart2の2部構成で、Part1では洋楽の名曲の数々をカバー、Part2では郷ひろみのオリジナル曲が披露されています。

Part1では、ジュリー・モーニング、エルトン・ジョンの「葬送〜血まみれの恋はおしまい」、クイーンの「ストーン・コールド・クレイジー」、ゲス・フーの「アメリカン・ウーマン」など、当時人気を博していた洋楽ヒット曲が、郷ひろみ独特の歌声とアレンジで聴くことができます。さらに、マーヴェレッツの「プリーズ・ミスター・ポストマン」、ハンク・ウィリアムズの「ジャンバラヤ」、リッキー・ネルソンの「ハロー・メリー・ルー」、そして日本の童謡「さくらさくら」といった多彩な選曲も魅力の一つです。これらの楽曲は、郷ひろみの幅広い音楽性を示しており、彼の音楽的探究心を感じさせる選曲となっています。また、キャロル・キングの「君の友だち」やホリーズの「兄弟の誓い」といった名曲カバーも収録されており、郷ひろみの洗練された歌唱力が堪能できます。

Part2では、「サタデー・ナイト」「裸のビーナス」「モナリザの秘密」「花とみつばち」「よろしく哀愁」「逢えるかもしれない」「パピーラブ」「バイ・バイ・ベイビー」「20才の微熱」「恋の弱味」といった、郷ひろみ自身の代表的なオリジナル曲が収録されています。これらの楽曲は、彼の若々しいエネルギーと、繊細な歌声が融合した、魅力的なパフォーマンスを聴かせてくれます。

演奏面においても、郷ひろみ自身によるボーカルに加え、和太鼓の演奏も披露されており、そのパフォーマンスは聴く者の心を掴みます。さらに、SUPER JETSを始めとする、豪華なバックバンドの演奏も聴きどころです。山本雅史（Keyboards）、鈴木匠（Guitar）、森安秀人（Bass）、長澤悟（Drums）、マーク・スティーヴンス（Percussion）、ダルトン・スミス、ボブ・フィンドリー（Trumpet）、ジャック・レッドモンド（Trombone）、チャールズ・オーウェンズ、ジョン・ミッチェル（Sax）、そして伊集加代、梅垣道子、若子内悦郎、井上実といったバックボーカル陣も、郷ひろみのパフォーマンスを支えています。

『GO GOES ON!〜HIROMI IN U.S.A〜』は、郷ひろみの音楽的才能と、海外でのパフォーマンス能力の高さを証明する、歴史的なライブアルバムです。このアルバムは、郷ひろみの音楽史において重要な位置を占め、日本の音楽シーンに多大な影響を与えた作品として、今もなお高い評価を得ています。当時を知る世代はもちろん、現代のリスナーにとっても、郷ひろみの魅力を再発見できる、必聴のアルバムと言えるでしょう。

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