GRANOLA

矢野顕子のアルバム『GRANOLA』は、1987年11月21日にミディレコードから発売されました。このアルバムは、矢野顕子が育児休暇に入る直前に発表されたもので、ある意味「矢野顕子解散宣言」とも言える時期の作品です。坂本龍一が共同プロデュースを務め、音楽的にも非常に意欲的な内容となっています。

同時期に発表されたライブアルバム『グッド・イーブニング・トウキョウ』は、「グラノーラ・ツアー1987」の実況録音盤であり、『GRANOLA』と姉妹関係にあります。実際、『GRANOLA』に収録されている楽曲のいくつかは、『グッド・イーブニング・トウキョウ』にもライブバージョンで収録されています。

『GRANOLA』の収録曲は以下の通りです。

1. わたしたち（作詞・作曲：矢野顕子）
2. 風をあつめて（作詞：松本隆　作曲：細野晴臣）
はっぴいえんどのカバー。原曲はアルバム『風街ろまん』に収録されています。矢野顕子によるピアノ弾き語りのライブテイクは、DVD『LIVE ピヤノアキコ。』で聴くことができます。
3. やがて一人（作詞：藤富保男　作曲：矢野顕子）
前作「一分間」に続き、藤富保男の詩を用いた作品です。ジャズ的な要素が強い「一分間」に対し、この曲はロック色が濃くなっています。
4. Un Jour（作詞：佐野元春　作曲：矢野顕子）
5. 無風状態（作詞・作曲：細野晴臣）
こちらもはっぴいえんどのカバーで、原曲はアルバム『HAPPY END』に収録されています。
6. 花のように（作詞・作曲：矢野顕子）
元々は杉浦幸に提供された楽曲で、グリコ協同乳業のコマーシャルソングとして使用されました。本作は矢野顕子によるセルフカバーです。ライブアルバム『出前コンサート』には、ライブテイクが収録されています。
7. ふりむけばカエル（作詞：糸井重里　作曲：矢野顕子）
1987年4月にNHK『みんなのうた』で放送されました。ライブアルバム『出前コンサート』にも収録されており、後に『おかあさんといっしょ』でも放送され、茂森あゆみがカバーしています。
8. Levee Break（作詞：矢野顕子　作曲：矢野顕子、窪田晴男）
9. Röslein auf der Heiden（作詞：近藤朔風　作曲：Heinrich Werner）
ピアノ弾き語りによる演奏で、ジャズ色の濃いアレンジが施されています。
10. 自転車でおいで（作詞：糸井重里　作曲：矢野顕子）
佐野元春がデュエットで参加しています。矢野顕子は後に、槇原敬之と共にセルフカバーしています（アルバム『はじめてのやのあきこ』収録）。
11. おおきいあい（作詞：矢野顕子　作曲：窪田晴男、矢野顕子）
後に、レイ・ハラカミと共にセルフカバーを行っています（『yanokami』収録。yanokami名義）。

『GRANOLA』は、矢野顕子の多彩な才能が発揮されたアルバムであり、彼女の音楽性を深く理解するための重要な作品と言えるでしょう。

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