Gambas

Gambasは、オブジェクト指向BASICを基盤とした統合開発環境（IDE）およびRAD（Rapid Application Development）ツールです。主にLinux環境での利用を想定して開発されていますが、FreeBSDなどの他のUnix系OSでも動作します。GambasのコンパイラはC言語で記述されており、拡張コンポーネントはCまたはC++で作成されています。IDE自体もGambasで実装されており、自己完結的な開発環境を形成しています。

Gambasの名称は「Gambas Almost Mean BASic」の略であり、Visual Basicに似た開発環境であることを示唆しています。開発の重点は軽快な動作に置かれており、ランタイムを必要とする言語としては、システムリソースの消費が少ない点が特徴です。

特徴

Gambasには、以下のような特徴があります。

GUIデザイナ: QtとGTKに対応したGUIデザイナが付属しており、ドラッグアンドドロップなどの直感的な操作でGUIを作成できます。各ウィジェットは自動的にコードと連携し、効率的な開発を支援します。IDE自体はQtで構築されています。
多様なアプリケーション開発: GUIアプリケーション（Qt、GTK+）、SDLを用いたアプリケーション、Webアプリケーション、CLI（コマンドラインインターフェース）アプリケーションなど、幅広い種類のアプリケーションを開発できます。
パッケージャ: アプリケーションを配布するためのパッケージャが付属しています。対話形式で必要な情報を入力するだけで、Debian、Fedora、Mandriva、OpenSUSE、Slackware、Ubuntuといった主要なLinuxディストリビューションに対応したインストールパッケージを生成できます。
言語仕様: 言語仕様は、.NET化以前のVisual Basicに似ており、基本的なコードは非常に類似しています。例えば、ボタンクリック時にラベルにテキストを表示するような単純なコードでは、Visual Basicと区別がつかないほどです。

basic
PUBLIC SUB Button1_Click()
Label1.Text="Hello World!"
END


オブジェクト指向: グローバル変数やメソッドは存在せず、すべてのコードはクラスファイルまたはモジュールファイルに記述されます。クラスの継承、オーバーロード、スーパークラスへのアクセスなど、オブジェクト指向プログラミングに必要な機能が提供されています。
変数とプロパティ: パブリック変数とプロパティを併用できます。これにより、柔軟なデータ管理が可能になります。
例外処理: TRY/CATCH/FINALLYなどの構文を用いて例外処理を行うことができます。エラー発生時のプログラムの安定性を向上させるのに役立ちます。
CLIコマンド実行: CLIコマンドを直接実行することができ、パイプも利用可能です。これにより、高度な処理を容易に実装できます。

まとめ

Gambasは、Visual Basicライクな文法を持ちながら、クロスプラットフォームなアプリケーション開発が可能な強力なツールです。軽量でありながら多様な開発ニーズに対応できるため、Linux環境でのGUIアプリケーション開発を始めたい方にとって、有力な選択肢の一つとなるでしょう。

外部リンク

* Gambas.sourceforge.net

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