Garnet OS

Garnet OS（ガーネットOS）は、ACCESS Systems（旧PalmSource）が開発し、ライセンス提供しているPDA（携帯情報端末）用のオペレーティングシステム（OS）です。元々はPalm OSという名称で、1996年にパーム社が自社のPalmデバイス向けOSとして開発しました。

Palm OSは、グラフィティと呼ばれる独特の手書き入力方式を採用したことで知られています。また、起動時間が短く、動作が軽快で使いやすいことから、Palmデバイスは大ヒットしました。その後、Handspringやソニーなど、多くのメーカーがPalm OS互換機を発売し、普及を拡大しました。

OSの開発は、後にパーム本社から独立したPalmSource（現ACCESS Systems）社が引き継ぎました。2004年2月には、Palm OSはハイエンド向けのPalm OS Cobalt（コバルト）と、エントリーモデル向けのPalm OS Garnet（ガーネット）に分化しました。Cobaltは、当初Palm OS 6として開発されていたもので、ソースコードの大半が書き直され、Garnetとは全く異なるOSとなりました。一方、Garnetは従来のPalm OS 5を進化させたもので、機能強化を図りながらも、エントリーモデルに対応できるよう設計されました。

OSの名称に数字ではなく、元素や宝石の名前が用いられたのは、CobaltとGarnetがそれぞれ独立して発展していくことを示す意図があったとされています。ACCESS Systemsによれば、Cobaltはソースコードの大半が書き直されており、Garnetとは別物として扱われています。

2007年1月25日、ACCESS Systemsは、Palm OSの名称をGarnet OSに変更すると発表しました。これに伴い、Palm OS搭載機に刻印されていた「Palm Powered」のロゴも「ACCESS Powered」に改められました。Garnet OSは、Palm OSの伝統を受け継ぎながらも、独自の進化を遂げています。

以下に、Palmデバイスを提供していたメーカーと、製品ブランドの一覧を示します。

パーム（旧・palmOne）
PalmPilot（パイロットの商標権侵害のため、この名称は使われなくなった）
Palm
Tungsten
Tungsten T5（フラッシュメモリー搭載）
Zire
Treo（Handspringを買収）
LifeDrive（4GBのMicroDrive搭載）
Handspring
Visor
Treo
ソニー
CLIE（2005年7月販売終了）
IBM
WorkPad（PalmのOEM）
WorkPad 31J（PHS内蔵）
TRG
TRGpro
HandEra
HandEra 330
Tapwave
Zodiac1
Zodiac2


Garnet OSは、その使いやすさと軽快な動作から、多くのユーザーに支持されました。Palm OS時代から受け継がれるグラフィティ入力は、独特な操作感を提供し、他のOSにはない魅力がありました。Garnet OSは、PDAの歴史において重要な役割を果たしたOSの一つと言えるでしょう。

関連情報として、以下の項目もご参照ください。

パーム (企業))
ACCESS Systems) （旧称・PalmSource）
Palm WebOS
Handspring
CLIE'>CLIE

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