HERO'S

HERO'S（ヒーローズ）

HERO'Sは、日本における総合格闘技の重要なイベントとして、2004年に設立されました。日本の主要メディアTBSやFEGをはじめ、当初はビッグマウスが主催していたこのイベントは、ファンに新たなヒーローを見出すことを目指していました。前田日明がスーパーバイザーとして関与し、マッチメイキングやルールの定めに大きな影響を与えました。

概要

HERO'Sは、2004年5月に開催された「K-1 ROMANEX」の発展的終了を受けて、RENEWALとしてスタートしました。この大会名には、新たにヒーローを輩出するという願いが込められています。初期にはビッグマウスが主催し、谷川貞治氏が指揮するFEGが協力していましたが、前田がビッグマウスとの関係を解消した後、FEGがHERO'Sの中心的運営を担うこととなりました。ジャッジやレフェリーは、和術慧舟會から派遣された専門のスタッフが担当し、厳格なルールの下で競技が進められました。HERO'Sは商標として登録され、K-1を創設した石井和義がその権利を保持しています。

HERO'Sの旗揚げ戦は2005年3月26日に行われ、当時は日本人選手の中量級を中心に成り立っていました。そして同年には中量級の世界最強決定トーナメントが開催されました。2006年からはライトヘビー級の世界最強王者決定トーナメントもスタートし、イベントはますます盛り上がりを見せました。HERO'Sで活躍した選手たちは、FEG主催の大晦日イベント「K-1 PREMIUM Dynamite!!」にも出場するなど、ステージが拡大する機会を得ました。

しかし、HERO'Sは2007年までの開催に限られました。競合イベント「PRIDE」が活動を停止したことを受け、大晦日に新たな興行「やれんのか！大晦日！2007」が行われ、これが後にFEGの主導で続くイベント「DREAM」につながる基盤を築きました。HERO'Sの終了後、前田日明は自身がCEOを務めるリングスの興行「THE OUTSIDER」を立ち上げました。このイベントもHERO'S同様のルール体系を取り入れ、新たな選手たちの登竜門となるような場を提供しました。

ルールの特徴

HERO'Sでは、TBSから放送される中で一般視聴者にも配慮したルールが採用されています。例えば、立っている選手が倒れている選手の顔面に対するキックを禁止し、他の多くの総合格闘技イベントで認められている攻撃を排除しました。このように、競技性を保持しつつ、過度な残虐性がなく、視覚的にも楽しむことができる試合展開を意識しています。

試合の進行に関しては、両選手間でアクションがない場合、早い段階でブレイクが行われ、試合が迅速に進行するよう工夫されています。これは、一般のファンにとっての視聴体験を向上させるための試みでもあります。ルール変更として、人気選手の桜庭和志が参加する際に特別にラウンドの延長が行われたりと、柔軟に対応してきました。

テレビ中継と捏造問題

イベントは主にTBSが中継し、平日や土曜日の晩に放送され、視聴者に楽しむ環境を整えました。しかし、2007年には「捏造」映像が放送される問題が発生しました。これは、桜庭選手の紹介時に架空の掲示板コメントを映してしまったもので、TBS側で今後の注意が促される事態となりました。

終わりに

HERO'Sは、日本の総合格闘技の歴史において重要な一ページを刻みました。数々の選手が活躍し、様々なルールやイベントを通じて多くのファンに支持されました。その後の「DREAM」や「THE OUTSIDER」シリーズに続く道を開いたことからも、HERO'Sの功績は多大であったと言えるでしょう。

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