Ha 139 (航空機)

ブローム・ウント・フォス Ha 139について

ブローム・ウント・フォス Ha 139は、第二次世界大戦開戦前にドイツで製造された、航空機としては最大級のフロート付き水上機です。この機体は、驚くほどのサイズを持ちながら、母船からカタパルトによる発進が可能というユニークな特性を備えていました。最初はルフトハンザドイツ航空の長距離郵便機として利用され、その後軍事利用のために改修され、様々な任務を遂行しました。

開発の経緯と運用

1930年代、ルフトハンザドイツ航空は、艦船のカタパルトからも発進でき、5,000km以上の航続距離を持つ長距離輸送機の開発計画を立てました。この計画を基に、ハンブルガー社（現在のブローム・ウント・フォス社）がHa 139の設計に着手しました。1935年から開発が始まり、1936年には試作1号機が初飛行を果たしました。

その後、試作2号機との共同開発が進み、1937年にはアゾレス諸島とニューヨーク間での試験的な運行が行われました。続いて1938年には機体が大型化された試作3号機が完成し、バザーストとブラジルの間で定期運行がスタートしました。この3機による大西洋横断飛行は、100回を超える実績を残しました。

しかし、第二次世界大戦が勃発すると、Ha 139は一転して軍用としての利用が期待され、機首の延長や武装の追加、通信設備の搭載といった仕様変更が行われました。特にノルウェー方面や大西洋での輸送任務や哨戒任務に活躍しました。

軍用改造と機能

試作3号機については、最初から洋上哨戒機としての機能が与えられていました。1942年には新たに機体周辺に電流ループを配置し、機雷掃除に役立てる改造が施されました。このように、Ha 139は多彩な任務に適応できる柔軟性を持っていました。

生産とその終焉

しかしながら、Ha 139の生産は試作機の3機に限られ、その後の量産には至ることはありませんでした。結果として、活動を続けるためのスペアパーツが不足し、最終的にはすべての機体が活動を停止、残念ながらスクラップにされてしまいました。なお、この設計をもとに、陸上型のBV 142も開発されています。

基本スペック

• - 全長: 20.06 m
• - 全幅: 29.49 m
• - 全高: 4.80 m
• - 全備重量: 19,000 kg
• - エンジン: ユンカース Jumo 205C 600 hp × 4
• - 最大速度: 288 km/h
• - 航続距離: 4,948 km
• - 武装: 7.92 mm機関銃 × 3
• - 乗員: 4~5名

このように、ブローム・ウント・フォス Ha 139は、その独特の設計と多機能性により、当時の航空技術の一つの成果を示していると言えるでしょう。

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