Handheld Device Markup Language

HDML（Handheld Device Markup Language）とは

Handheld Device Markup Language（HDML）は、PDA、携帯電話、腕時計など、画面が小さく入力が制限された端末での利用を想定して設計されたコンテンツ記述言語です。Unwired Planetによって策定されました。後にWAP Forumで策定されたWML（Wireless Markup Language）は、このHDMLを基盤としています。

HDMLの特徴

HDMLは、HTMLと文法が似ていますが、SGML（Standard Generalized Markup Language）のアプリケーションではありません。携帯端末での表示に最適化するため、タグの種類が絞り込まれています。また、「デッキ」と「カード」という概念を導入することで、データ転送回数を減らす工夫がされています。

• - デッキとカード：HDMLでは、複数の情報をグループ化して「デッキ」とし、その中で表示される各ページを「カード」と呼びます。これにより、必要な情報だけを効率的に転送し、通信回線の負荷を軽減します。
• - 変数と制御構造：変数の使用や、GOSUB～RETURNといった制御構造もサポートされており、プログラミング言語のような側面も持ち合わせています。これにより、動的なコンテンツの作成が可能になっています。

HDMLの採用例

日本では、KDDIのauブランドと、KDDIグループのツーカー携帯電話でHDMLが採用されました。しかし、auがXHTMLベースのWAP2.0に対応するにつれて、HDMLの利用は徐々に減少しました。2008年5月31日には、「EZweb@mailコース」の終了に伴い、HDML専用端末からのEZWebへのアクセスが不可能となり、HDMLは過去の技術となりました。

HDMLの技術的な詳細

HDMLは、帯域幅が限られたモバイルネットワーク環境での利用を考慮して設計されています。そのため、データ量を削減し、レスポンスを向上させるための様々な工夫が凝らされています。

• - タグの簡素化：HTMLに比べてタグの種類を少なくすることで、データ量を削減し、端末側の処理負担を軽減しています。
• - 最適化されたデータ転送：「デッキ」と「カード」の仕組みにより、必要な情報のみを効率的に転送します。これにより、ネットワークの帯域幅を有効活用し、ページの読み込み速度を向上させています。
• - プログラミング的な機能：変数やGOSUB～RETURNといった機能を使うことで、単純な静的ページだけでなく、動的なコンテンツを生成することが可能になります。

HDMLの歴史と現在

HDMLは、モバイルインターネットの黎明期において重要な役割を果たしました。しかし、WAP2.0や、その後のスマートフォンの普及によって、より高度なHTMLやXHTMLなどの技術が主流となり、HDMLは次第に使われなくなりました。現代においては、HDMLは過去の技術として扱われることが一般的です。

関連技術

HDMLは、WMLの基礎となっただけでなく、モバイルコンテンツ開発の歴史において重要な位置を占めています。HDMLの登場は、モバイル端末におけるコンテンツ表示の可能性を広げ、その後のモバイル技術の発展に貢献しました。

脚注

• - HDMLは、携帯端末の黎明期において重要な技術であった。
• - WMLはHDMLをベースにして策定された。
• - WAP2.0の普及によりHDMLは使われなくなった。

関連項目

• - モバイルブラウザ

外部リンク

• - ケータイwatch ケータイ用語の基礎知識（WAPとは）
• - au　KDDI Ezwebホームページを作ろう（HDMLについて） - [ウェイバックマシン]]（2002年10月19日アーカイブ分）
• - [au　KDDI Ezwebホームページを作ろう（HDMLタグ一覧） - [ウェイバックマシン]]（2002年12月3日アーカイブ分）
• - [My First HDML

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