ISO 19100

ISO 19100とは、国際標準化機構（ISO）が策定した、地理情報に関する一連の国際規格を指します。この規格は、地理空間データの構造、内容、交換方法など、地理情報の取り扱い全般に関する標準を定めており、異なるシステム間での相互運用性を確保することを目的としています。

具体的には、ISO 19100は、以下のような要素を含んでいます。

地理空間データのモデル化: 地理空間オブジェクトの表現方法、属性、空間関係などを定義します。これにより、データの意味を正確に伝え、一貫性のあるデータ管理を可能にします。
地理空間データの符号化: データの形式や構造を規定し、異なるシステム間でデータを交換する際の相互運用性を確保します。XMLベースの形式やGML（Geography Markup Language）などが使用されます。
地理空間データの品質: データの精度、完全性、整合性などの品質要素を定義し、データ利用者がデータの信頼性を評価できるようにします。
地理空間データのサービス: 地図表示、空間検索、データ変換などの地理空間データに関連するサービスを定義します。これにより、異なるシステムが提供するサービスを統合しやすくなります。
地理空間メタデータ: データの内容、品質、由来などの情報を提供するメタデータの標準を定義します。これにより、データ利用者が適切なデータを容易に見つけられるようにします。

ISO 19100は、単一の規格ではなく、複数の規格から構成されています。これらの規格は、地理空間データのさまざまな側面をカバーしており、地理情報システムの開発、地理空間データの作成・管理・交換、および地理情報サービスの提供など、幅広い分野で利用されています。

日本国内においては、ISO 19100の一部がJIS X 7100として発行されています。また、基本測量や公共測量を実施する際、あるいは基盤地図情報を提供する際には、ISO 19100（またはJIS X 7100）に適合することが求められています。

ISO 19100に関連する主な項目は以下の通りです。

JPGIS: 日本の地理情報標準。
地理空間情報: 地球上の位置に関連付けられた情報全般。
地理情報システム（GIS): 地理空間情報を収集、管理、分析、表示するためのシステム。
標準化: 規格を制定し、共通のルールを定めること。
ISO 6709: 空間データの地理的要素に関する規格。

ISO 19100は、地理情報の分野における国際的な協力と相互運用性を促進するための重要な規格です。この規格に準拠することで、異なるシステム間でのデータ交換が円滑になり、地理空間情報の有効活用が促進されます。

関連組織
ISO/TC 211: ISOの地理情報に関する技術委員会。
財団法人 日本測量調査技術協会: ISO/TC 211の日本国内審議団体。

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