JPGIS

JPGIS（地理情報標準プロファイル）とは

JPGIS（Japan Profile for Geographic Information Standards）は、地理情報システム（GIS）における空間データに関する日本国内の標準規格です。この規格の主な目的は、異なるシステム間でのデータ互換性を確保することにあります。具体的には、データの設計、品質、記述方法、仕様の書き方などに関するルールを定めています。

JPGISは、国際規格であるISO 19100シリーズと日本工業規格であるJIS X 7100シリーズに準拠しています。しかし、これらの規格をそのまま適用するのではなく、内容を実利用に合わせて絞り込み、体系化したより実用的な規格として設計されています。JPGISの利用が進むことで、異なる組織やシステムで作成されたデータの共有が容易になり、システムへの依存度を下げ、重複投資を削減する効果が期待できます。

JPGISの経緯

JPGISの前身となる規格として、JSGI（Japanese Standards for Geographic Information）がありました。JSGIは、国土地理院と民間企業との共同研究によって開発されたもので、空間データの整備に必要な基本項目について、ISO/TC 211の国際標準（案）を基に作成された国内標準規格です。JSGIは1999年3月に第1版、2002年3月に第2版が作成され、その後JIS化されました。

JPGISは、JSGIの後に国際標準（案）が正式な国際標準となり、さらに国内標準化が進んだことを受けて策定されました。国際標準と国内標準に準拠しつつ、実利用に即した形で内容を絞り体系化した、より実用的な規格として位置づけられます。初版は2005年5月に公開され、最新バージョンは2015年4月に更新されたJPGIS 2014です。

JPGISのバージョン

JPGISは、これまでにいくつかのバージョンがリリースされています。

Ver 1.0 (2005年)：初版。
Ver 1.0改訂版 (2007年)：初版における不具合を修正。
Ver 2.0 (2008年)：「附属書12（規定）地理マーク付け言語（GML）」を追加し、基盤地図情報に対応。
Ver 2.1 (2009年)：基となる規格が変更（ISO 19109→JIS X 7109、ISO 19110→JIS X 7110）。
2014 (2014年)：基本的な考え方や技術に変更はないものの、引用する規格の制定や更新に対応。

JPGISの符号化仕様

JPGISでは、以下の2種類の符号化仕様が定められており、どちらを利用しても良いことになっています。

1. XML
「附属書8(参考)XMLに基づく符号化規則」により規定されています。ISO19118の附属書Aを参考に、日本が独自にスキーマを規定したものです。
2. GML（Geography Markup Language）
「附属書12(規程)地理マーク付け言語(GML)」により規定されています。ISO19136のGML（Geography Markup Language）を使用するもので、Ver2.0で追加されました。

まとめ

JPGISは、地理情報システムにおける空間データの標準化を推進するための重要な規格です。異なるシステム間でのデータ互換性を確保し、データ共有を促進することで、地理情報の利活用をより効率的に行うことができるようになります。

参考情報

JPGIS（地理情報標準プロファイル） - 国土地理院

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