基本測量

基本測量とは

基本測量とは、日本の測量法において定められた、全ての測量の基礎となる測量のことです。具体的には、国土地理院が実施する測量の中で、特に重要な基準となるものが基本測量と定義されています。測量法は、土地に関する測量の重複を避け、その正確性を確保することを目的としており、基本測量はその目的を達成するための重要な要素です。

測量法の体系

測量法は、以下の3つの測量を定義し、測量制度を体系化しています。

1. 基本測量: 国土地理院が行う、すべての測量の基礎となる測量。
2. 公共測量: 国や公共団体が費用を負担または補助して行う測量、またはその結果を利用する測量。
3. 基本測量および公共測量以外の測量: 上記以外の測量。

この体系の中で、基本測量は最上位に位置づけられ、公共測量やその他の測量の基準として利用されます。この構造は、ピラミッド型に例えられ、基本測量の成果が、より広範な測量活動の基盤となっていることを示しています。

基本測量の役割

基本測量の最も重要な役割は、すべての測量の基礎となることです。具体的には、以下のようなものが挙げられます。

基準点の設置: 日本経緯度原点、日本水準原点、三角点、水準点などの基準点を設置し、全国的な測量の基準を提供します。
地理空間情報の作成: 電子国土基本図や地形図など、地理空間情報の基盤となるデータを作成します。
正確性の確保: 測量の正確性を確保することで、様々な分野での測量結果の信頼性を高めます。

これらの活動を通じて、基本測量は社会インフラの整備や災害対策、環境調査など、幅広い分野で活用される正確な地理空間情報を提供しています。

国土地理院と基本測量

重要な点として、国土地理院が実施する全ての測量が基本測量であるわけではありません。国土地理院の行う測量の中で、測量法に基づき実施される「すべての測量の基礎となる測量」のみが基本測量として定義されます。この定義は測量法の適用範囲におけるものであり、法律に基づいた厳格な基準が適用されます。

基本測量に関連する項目

以下に、基本測量に関連する項目をまとめます。

日本経緯度原点: 測量の水平方向の基準となる点。
日本水準原点: 測量の高さの基準となる点。
三角点: 測量の基準となる点の一つ。
水準点: 標高の基準となる点。
電子基準点: GPSなどを用いた測量の基準となる点。
電子国土: 国土の地理情報を電子化したもの。
地理空間情報: 地理に関する様々な情報。
基盤地図情報: 地図の基礎となる情報。
地形図: 地面の形状を表した地図。
電子国土基本図: 電子化された国土基本図。

まとめ

基本測量は、日本の測量制度において非常に重要な役割を果たしています。国土地理院によって実施され、正確な地理空間情報を提供することで、社会の様々な分野を支える基盤となっています。測量法に基づく体系的な制度の中で、基本測量の成果は、公共測量やその他の測量活動において不可欠なものと言えるでしょう。

参考資料

国土地理院 (2014年4月9日). “基本測量に関する長期計画”

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