ISO 3103

ISO 3103：お茶の淹れ方に関する国際規格

ISO 3103は、国際標準化機構（ISO）によって定められた、お茶の淹れ方に関する国際規格です。この規格は、1980年に英国規格協会が定めたBS 6008:1980を基に、食品工業に関する技術委員会で策定されました。

規格の目的

この規格は、お茶を淹れるための「正しい方法」を定めるものではありません。むしろ、科学的な試験を行う際に、お茶の味や品質を一定の条件で評価するための基準を定めています。例えば、収穫時期やブレンドによって味がどのように変化するかを比較する際に、この規格に沿って調整されたお茶が用いられます。

規格の概要

ISO 3103では、お茶を淹れる際に使用する器具、材料、手順などが細かく規定されています。以下にその概要を示します。

ポット

材質: 白の陶磁器または釉薬を塗った土器を使用します。
蓋: ポットの内側に緩くはまる蓋が必要です。
サイズ: 大きなポットは容量310ml（±8ml）、重量200g（±10g）以下、小さなポットは容量150ml（±4ml）、重量118g（±10g）以下とします。

茶葉と湯

茶葉の量: 湯100mlあたり2g（±2%）の茶葉を使用します。
湯の量: ポットの縁から4-6mm下まで注ぎます。
水質: 硬水は使用してはいけません。

抽出

抽出時間: 6分間とします。

カップ

材質: 白の陶磁器または釉薬を塗ったカップを使用します。
サイズ: 大きなカップは容量380ml、重量200g（±20g）、小さなカップは容量200ml、重量105g（±20g）とします。

ミルク

試験体にお茶とミルクの両方を使用する場合、ミルクはお茶を注ぐ前、または後に加えます。
お茶の温度が65-80℃の場合は、お茶を注いだ後にミルクを加えることが推奨されます。
ミルクの量は、大きなカップには5ml、小さなカップには2.5mlを加えます。

その他の情報

ISO 3103の最初の作成者は、1999年度のイグノーベル賞を受賞しています。

関連規格

ジョージ・オーウェルは、紅茶の淹れ方に関するエッセイ「一杯のおいしい紅茶」（1946年）を著しました。
イギリス王立化学会は、ジョージ・オーウェル生誕100周年を記念して、美味しいお茶の淹れ方に関するリリース「How to make a Perfect Cup of Tea」（2003年）を発表しました。

外部リンク

ISO 3103 at iso.org
iso.orgの他の茶関連の規格
BS6008

脚注

イグノーベル賞受賞者の一覧#1999年

関連項目

Hyper Text Coffee Pot Control Protocol - RFCとして発表されたコーヒーポット制御用プロトコル（ただしインターネット標準ではない）

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