Image Mastering API

Image Mastering API (IMAPI) は、Microsoft Windowsオペレーティングシステムに組み込まれた、光ディスクへのデータ記録を制御するコンポーネントです。Windows XPで初めて導入され、その後Windows VistaとWindows Server 2008では、再設計されたIMAPIv2.0が導入されました。

IMAPIの概要

IMAPIは、シングルセッションおよびマルチセッション形式での光ディスクの作成と書き込みをサポートします。ブートディスクの作成も可能です。開発者向けには、新しいデバイスへの低レベルアクセス手段を提供し、拡張記録属性の利用も可能にします。IMAPIは、現在主流となっている様々な光ディスクメディアに対応しています。

対応メディア

IMAPIは、以下のメディアに対応しています。

CD
CD-R
CD-RW
DVD (IMAPIv2.0)
DVD-R と DVD+R
DVD-RW と DVD+RW
DVD-R DL と DVD+R DL
DVD-RAM
Blu-ray Disc (IMAPIv2.0)
BD-R と BD-RE

また、書き込みフォーマットとしては、ISO 9660 (CD-DAを含む)とJolietをサポートしています。IMAPIv2.0では、UDFフォーマットにも対応しています。

IMAPIv2.0

IMAPIは、Windows VistaとWindows Server 2008のリリースに合わせて再設計され、IMAPIv2.0として導入されました。このバージョンアップにより、多くの機能改善と拡張がなされました。Windows XPとWindows Server 2003環境では、更新プログラム（KB932716）を適用することでIMAPIv2.0を利用可能になります。

IMAPIv2.0の主な追加機能

カーネルモードからユーザーモードへの変更: IMAPIv2.0は、カーネルモードからユーザーモードで動作するように変更されました。これにより、システムの安定性が向上し、セキュリティリスクも低減されました。
複数ドライブの同時書き込み: 複数の光ディスクドライブへの同時書き込みが可能になり、作業効率が大幅に向上しました。
DLLとしての提供: Windowsサービスとしてではなく、DLL (ダイナミックリンクライブラリ) として提供されるようになりました。これにより、アプリケーションからより簡単にIMAPIの機能を利用できるようになりました。
VBScriptでの利用: VBScriptでの利用も可能になり、スクリプトベースでの光ディスク書き込みタスクの自動化が容易になりました。
書き込み中のドライブのロック: 書き込み中にドライブをロックする機能が追加され、データの書き込みエラーを防ぐことができるようになりました。

IMAPIの利用例

Windows Vistaでは、IMAPIは以下の機能で利用されています。

Windows Media Player
Windows DVDメーカー
Windows Media Center
* Windows Explorer (エクスプローラー)

これらのアプリケーションを通じて、ユーザーは手軽に音楽CDやDVDの作成、データのバックアップなどを行うことができます。IMAPIは、Windows環境における光ディスク記録の基盤となる重要な役割を担っています。

まとめ

IMAPIは、Windows OSにおける光ディスク記録の中核をなすコンポーネントです。初期のバージョンからIMAPIv2.0へと進化を遂げ、多様なメディア形式や書き込みフォーマットに対応してきました。ユーザーフレンドリーなインターフェースを提供することで、Windowsユーザーが容易に光ディスクの書き込みを行えるように貢献しています。

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