International Mobile Equipment Identity

IMEI（International Mobile Equipment Identity）とは

IMEI（International Mobile Equipment Identity）は、GSM、W-CDMA、iDEN方式の携帯電話や一部の衛星電話に付与される固有の識別番号です。端末のバッテリーを外した場所や、特定のコード（#06#）を入力することで画面に表示できます。

IMEIの役割

主にGSMネットワークで、正規のデバイスかどうかを識別するために使用されます。盗難された携帯電話がネットワークにアクセスできないようにするために、IMEIを電話会社に連絡して無効化することができます。これにより、SIMカードを交換してもその端末は使用できなくなります。

Electronic Serial Number（ESN）やCDMA2000系のMEIDとは異なり、IMEIはデバイスの識別のみに用いられ、加入者情報とは紐づけられません。加入者の識別には、SIMカードに格納されたIMSIが用いられます。

IMEIと法律

多くの国で、IMEIが携帯電話の盗難を減らす効果があると認識されています。例えば、イギリスやラトビアでは、IMEIを変更する行為や、それを可能にする機器の所持は違法です。一方、シンガポールのように、IMEIを利用した盗難対策システムを導入せず、SIMカードの交換で対応する国もあります。

また、IMEIの付与は必ずしも当局の規制への準拠を意味するわけではありません。2000年以降、イギリスではBABTという業界団体がIMEIの割り当てを行っていますが、その際に規制への適合を証明する必要はありません。

盗難機器のブラックリスト

携帯電話が盗難または紛失した場合、所有者は通信事業者に連絡して端末をブロックしてもらうことが一般的です。通信事業者は、Equipment Identity Register（EIR）と呼ばれるデータベースにIMEIを登録し、Central Equipment Identity Register（CEIR）を通じて、他のネットワークでもその端末を使用できなくすることができます。

IMEIの変更は困難であるため、CEIRのブラックリストは有効に機能します。しかし、特殊なツールを使用すればIMEIを変更することも可能です。

IMEIとIMEISVの構造

IMEI（14桁＋チェックディジット1桁）やIMEISV（IMEI Software Version、16桁）には、製造元、機種、シリアル番号などの情報が含まれています。これらの構造は3GPP TS 23.003で定義されています。

IMEI/SVの最初の8桁はType Allocation Code（TAC）と呼ばれ、機種と製造元を示します。残りの部分は製造各社が定義し、最後の1桁はLuhnアルゴリズムによるチェックディジットです。

2004年以降、IMEIのフォーマットはAA-BBBBBB-CCCCCC-Dのようになっています。IMEISVでは、チェックディジットの代わりにSoftware Version Number（SVN）と呼ばれる2桁の数字を末尾に連結します（AA-BBBBBB-CCCCCC-EE）。

2002年以前は、TACが6桁で、その後にFinal Assembly Code（FAC）という、機器を組み立てた工場を示す製造業者固有の番号がありました。2004年4月1日にフォーマットが更新され、FACが廃止され、TACが8桁になりました。

チェックディジットの計算

IMEIの最後の桁は、Luhnアルゴリズムを使って計算されたチェックディジットです。このチェックディジットは、CEIRやEIRへの誤った入力を防ぐ役割を果たします。

チェックディジットは以下の手順で検証します。

1. 右端（CDの直前）から1つおきに、その桁の数を2倍にする。
2. CDも含め、各桁の数の総和を求める。
3. 総和が10で割り切れるかを調べる。

衛星電話網での利用

BGAN、イリジウム、スラーヤなどの衛星電話ネットワークでも、GSMの携帯電話と同様にIMEIとSIMカードを使用しています。

IMEI情報の取得方法

多くの端末では、#06#と入力することでIMEIを取得できます。GSM端末の場合は、AT+CGSNコマンドでも取得可能です。

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