CDMA2000

CDMA2000とは

CDMA2000（Code Division Multiple Access 2000）は、Wideband cdmaOneとも呼ばれる、FDD（Frequency Division Duplex）-CDMA技術を基盤とする第3世代移動通信システムの一つです。国際電気通信連合（ITU）のIMT-2000規格においては、IMT-MC（Multi Carrier）として規定されています。主に、アメリカのクアルコム社が開発を主導し、日本、北米、南米、韓国、中国、香港などの地域で広く採用されました。

技術的特徴

CDMA2000の大きな特徴は、既存のcdmaOne設備を比較的少ない改修で利用開始できる点です。さらに、cdmaOneの端末もそのまま使用できる互換性も備えています。基地局制御や端末の位置登録にはANSI-41プロトコルが用いられます。

技術面では、基地局間の同期と搬送波間のガードバンドが必要です。チャネル分離には128のWalshコードが用いられ、拡散符号としてはM系列のLong PNとshort PNが組み合わせて使用されます。電力制御は上り下りともに毎秒800回という高速で行われます。チップレート（拡散符号速度）は1.25MHz帯域で1.2288Mcpsであり、複数搬送波を利用可能です。音声符号化には、EVRC, SMV, VMR-WBといった方式が用いられます。規格上、1.25MHzの帯域を3つ使用するCDMA2000 3xという方式も存在しますが、実際にこの方式を利用したサービスは展開されていません。

収容数

1xの場合の理論上の収容数は1キャリアあたり59加入ですが、実際の運用では1キャリアあたり約25加入程度となっています。

周波数帯

CDMA2000で使用される周波数帯は、3GPP2によって16のバンドクラス（Band Class）が規定されています。これらの周波数は、3GPP2の仕様書に詳細が記載されています。上りと下りの周波数が重複する場合には、Subclassレベルで上下の周波数を分離する形で対応しています。

サブクラス（SC）レベルの帯域

詳細なサブクラスレベルの帯域については、関連資料を参照してください。

日本における展開

日本では、2002年4月1日にKDDIおよび沖縄セルラー電話のauブランドがCDMA2000 1xのサービスを開始しました。このサービスはBand Class 3を使用していました。その後、2003年には2GHz帯（Band Class 6）、2006年には新800MHz帯（Band Class 0 Subclass 2、以下N800MHz帯）でのサービスが開始されました。

Band Class 3は、第2世代移動通信システム向けに割り当てられていた周波数帯を転用したものであったため、2012年7月22日をもってサービスを終了しました。その後、第3世代移動通信システム用に割り当てられたBand Class 6（2GHz帯）とN800MHz帯（上下各5MHz幅）でサービスが展開されました。

しかし、CDMA 1X WINのサービス停止に伴い、2022年3月31日をもってCDMA2000の全サービスが終了しました。なお、N800MHz帯のうち再編後に新たに利用可能になった帯域（上下各10MHz幅）、1.5GHz帯、2GHz帯の一部、そして新たに割り当てられた700MHz帯は、LTE（Long Term Evolution）で利用されています。一部地域では、2GHz帯を全てLTEに転用し、LTEの通信速度は下り最大150Mbpsに達しています。これらの地域では、サービス終了に先行してCDMA2000のサービスが停止され、N800MHz帯対応エリアでのみサービスが提供されていた時期もありました。

関連情報

関連項目:
cdmaOne
CDMA2000 1x: データ通信拡張規格
W-CDMA
Ultra Mobile Broadband
Long Term Evolution
外部リンク:
CDMA2000の概要 - KDDI

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