Internet Explorer 7

Internet Explorer 7（IE7）は、マイクロソフトが2006年にリリースしたWebブラウザです。当初はWindows VistaとWindows Server 2008専用とされていましたが、後にWindows XPとWindows Server 2003にも提供されました。名称も「Microsoft Internet Explorer」から「Windows Internet Explorer」に変更されました。

主な特徴

IE7は、ユーザーインターフェースのデザインが大幅に変更され、セキュリティ機能も強化されました。他のブラウザで標準となっていたタブブラウジングや検索ボックスなどの機能が導入され、Web標準への準拠も進みました。

ロゴの変更

IE7ではロゴが新しくなり、「e」の文字がモダンで視認性が高くなりました。金色の輪も、新しいエネルギーを表現するデザインとなっています。このロゴはIE8にも引き継がれました。

タブブラウジング

タブブラウジング機能が実装され、複数のWebページを1つのウィンドウで表示できるようになりました。さらに、「クイックタブ」機能でタブの内容を視覚的に確認したり、「タブグループ」機能でタブを一括してお気に入りに登録・展開することも可能です。

検索ボックス

ブラウザに検索ボックスが追加され、複数の検索プロバイダを登録して利用できます。

フィードリーダー

フィードリーダー機能が搭載され、RSSフィードを購読できるようになりました。フィードの購読状況はアイコンで確認でき、フィードは「お気に入りセンター」に統合管理されます。Windows Vistaでは、サイドバーの「フィードヘッドライン」でフィードを扱うことも可能です。

ズーミング

ページ全体のズーム機能に対応し、テキストや画像を拡大・縮小できます。

標準準拠

HTMLやCSS、DOMのWeb標準への準拠が改善されました。HTML 4.01の要素やCSS2のプロパティに対応し、XMLHttpRequestがネイティブ機能として再実装されました。また、PNGのアルファ合成や国際化ドメイン名（IDN）にも対応しました。

セキュリティ保護

IE7では、セキュリティ機能が大幅に強化されました。

ActiveXコントロール: 多くのActiveXコントロールが既定で無効になりました。
SSL/TLS: SSL 3.0とTLS 1.0が既定で有効になり、SSL 2.0は無効になりました。
フィッシング詐欺対策: フィッシング詐欺検出機能が搭載され、Extended Validation証明書にも対応しました。
閲覧データ削除: 閲覧履歴、Cookie、一時ファイルなどを削除する機能が統合されました。
アドオン無効起動: アドオンを全て無効にした状態で起動する機能が追加されました。
DEP: DEPによるメモリ保護機能が実装されました。
保護モード: Windows VistaとServer 2008では、「保護モード」機能と保護者による制限機能が利用できます。

その他

ClearType: ClearType効果の適用がWindowsの設定とは別に適用されるようになりました。
FTP: FTPクライアント機能が読み取り専用になりました。
非対応プロトコル: Gopher、Telnetなどの古いプロトコルや技術への対応が終了しました。
Outlook Express: Outlook Expressのアップデートは含まれなくなりました。
Windows Explorer: Windows Explorerとの機能が分離されました。
WGA: インストーラにWindows Genuine Advantageが統合されました（後にライセンス確認処理は削除）。
ホームページ: 複数のアドレスをホームページとして登録できるようになりました。
* IME/フォント: IE6以前に付属していたGlobalIMEや外国語フォントが削除されました。

IE7は、セキュリティや使いやすさが向上したブラウザとして、多くのユーザーに利用されました。

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