J-11 (航空機)

J-11戦闘機の詳細

概要

J-11は中華人民共和国の瀋陽飛機工業集団が製造する制空戦闘機であり、その設計はロシアのSu-27SKを基にしています。この戦闘機は、単座型として主に空中戦に焦点を当てていますが、多用途戦闘機としても使用可能です。J-11は、J-11A、J-11B、J-11BSなど、複数の派生型があります。

1990年代後半、中国はロシアと協力し、200機のSu-27SKをライセンス生産することで本プロジェクトを開始しました。1998年には生産が開始され、初飛行も同年に実施されました。しかし、ロシアとの共同生産は100機の製造後に中断され、これは中国側の契約違反が原因でした。そのため、中国は独自の戦闘機としてJ-11の生産を進め、現在までに253機が製造されています。

J-11の外観は原型のSu-27SKに非常に似ていますが、J-11B型では機体に多くの複合材料を使用し、重量を軽減しました。また、エンジンもロシア製のAL-31Fから国産のWS-10Dに変更され、ミサイル警報装置が取り付けられているなど、数多くの改良が加えられています。

派生型の詳細

J-11

初期型であり、現在では全て置き換えられたと見られています。

J-11A

この型は、ミサイル警報装置やR-77の発射能力が追加されたアップグレード型です。2022年には新型のミサイル警報装置が搭載され、一部の機体にはIFFアンテナが設置されていることも確認されています。

J-11B

この型では、複合材料が多く使用され、機体重量が700kg軽減されています。また、国産エンジンWS-10Dを搭載し、1493型ドップラー・レーダーを装備しており、150kmの探知距離を持ち、6-8目標を同時に追跡できます。これにより、PL-8、PL-12、PL-15といった新型の空対空ミサイルが使用可能になり、攻撃力が向上しています。

J-11BH

J-11Bの海軍仕様で、2010年に初めて確認されました。

J-11BS

これはJ-11Bの複座型です。

J-11BSH

J-11BSの海軍向け型式です。

J-11D

この型はフェーズドアレイレーダーとIRSTを装備し、レーダーに探知されないようエアインテークに複合材料を使用しています。また、未確認の情報によると、新型フライ・バイ・ワイヤシステムやグラスコックピット、新型エンジンも搭載されている可能性があります。

J-15

艦上戦闘機型で、J-11の技術に加え、Su-33の技術も取り入れています。航空母艦への着艦に必要なアレスティング・フックなども装備されています。

仕様の詳細

• - 乗員: 1名（単座型）、2名（複座型）
• - 全長: 21.9 m
• - 全幅: 14.7 m
• - 全高: 5.92 m
• - 翼面積: 52.84 m²
• - 空虚重量: 16,380 kg
• - 最大離陸重量: 33,000 kg
• - 燃料容量: 9,400 kg

エンジンと性能

• - エンジン: WS-10D ターボファンエンジン×2基
• - 推力: WS-10D （ドライ推力 / アフターバーナー）75.22kN / 123kN
• - 最大速度: マッハ 2.1
• - G制御: +9G
• - 戦闘行動半径: 1,500 km
• - 航続距離: 3,530 km
• - 実用上昇限度: 9,000 m

武装

• - 固定武装: GSh-30-1 30mm機関砲 1門
• - ハードポイント: 10
• - 空対空ミサイル: PL-8、PL-9、PL-10、PL-11、PL-12、R-27、R-73、R-77
• - その他: 各種無誘導爆弾、ロケット弾など

まとめ

J-11はその性能と柔軟性から、中国航空自衛隊の戦力において重要な役割を果たしています。改良と派生型の多様性により、さまざまな戦闘シナリオに適応できる能力を持つ戦闘機です。

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