JFNラインネット番組

JFNラインネット番組とは

JFNラインネット番組は、全国FM放送協議会（JFN）が提供する、通信回線を利用したネットワーク配信番組の総称です。このシステムは、JFNに加盟する各FM局へ、多様な番組を安定的に供給することを目的としています。

AラインとBライン

JFNラインネットには、大きく分けて「Aライン」と「Bライン」の2種類の配信系統が存在します。

Aライン: TOKYO FMまたはFM大阪が制作を主導し、全国38局でフルネットされる番組です。ネットワークスポンサーがつき、番組開始・終了時にはJFN共通ジングルや各局のステーションジングルが挿入されます。
Bライン: ジャパンエフエムネットワーク（JFNC）が制作し、ネットワークスポンサーがつかない番組です。JFN各局は、自局の編成に合わせて自由に番組を選択できます。

現在、「Aライン」「Bライン」という名称は公式には使用されていませんが、番組の性質による区別は依然として存在します。JFNCラインネット番組配信表では、Bライン相当の番組は以下のように分類されています。

B1プログラム: JFNCが制作する番組（一部例外あり）
B2プログラム: TOKYO FMとJFNCの共同制作番組（主に早朝・深夜に放送される、Bライン扱いの番組）

JFNの課題とラインネットの役割

JFNは、日本で唯一の全国FMネットワークであり、放送エリアの重複が多いという特徴があります。そのため、「番組供給の保証」と「近隣局との差別化」という、相反する課題を抱えています。ラインネットシステムは、これらの課題を解決するために重要な役割を果たしています。例えば、同じ系列局であっても、「Aライン」と「Bライン」で異なる生放送番組を配信することで、各局の個性を打ち出し、リスナーの多様なニーズに応えています。

Aライン・Bライン誕生の背景

1983年までに、エフエム東京（現TOKYO FM）を中心とした番組供給ネットワーク「JFN」が形成されました。当初は、エフエム愛知、エフエム大阪、エフエム福岡など、限られた数のFM局が参加していました。これらの初期メンバー局は、通称「Aライン」と呼ばれていました。

その後、各都道府県にFM局の周波数が割り当てられるようになり、既存の「Aライン」局と、新たに開局する局との間で、放送エリアの重複が問題となりました。新局は、番組制作能力が低い一方で、スポンサーやリスナーの差別化を図りたいというニーズがありました。そこで、エリア規模に応じて一定の使用料を支払うことで、自由に番組編成が可能な「Bライン」が設けられました。

「Bライン」は、1985年に開局した三重エフエム放送やエフエム群馬など、後発のFM局にとって重要な番組供給源となりました。これらの局は、「Bライン」の番組供給を活用することで、日本で初めて恒常的な24時間放送を実現しました。

現在のラインネット番組

以下に、主なラインネット番組の例を挙げます。

Aライン

ONE MORNING（月曜 - 金曜 7:00 - 7:30、8:00 - 8:20）
坂本美雨のディア・フレンズ
SCHOOL OF LOCK!
JET STREAM
JA全農 COUNTDOWN JAPAN

Bライン

ONE MORNING（平日 Aライン送出の時間帯以外）
OH! HAPPY MORNING（平日 7:30 - 10:55）
Otona no Radio Alexandria
* デイリーフライヤー（平日 13:00 - 13:30）

これらの番組は、JFNに加盟する各局を通じて、全国のリスナーに届けられています。

JFNラインネットは、日本のFMラジオ放送において、番組供給と地域局の個性を両立させるための重要なシステムです。今後も、時代に合わせた柔軟な番組編成と、地域に根ざした情報発信が期待されます。

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