JR札幌病院

JR札幌病院について

JR札幌病院は、北海道札幌市中央区に所在する企業立病院です。その建物所有および運営に関し、三菱商事、エム・シー・ヘルスケアといった三菱商事グループ各社と連携体制を構築しています。

沿革

本院の歴史は、大正時代に遡ります。1915年（大正4年）、札幌鉄道集会所の施設を利用して仮診療所が開設された後、同年には現在の札幌市北8条東2丁目の地に「札幌鉄道病院」として正式に設立されました。設立から数年を経た1922年（大正11年）には、現在の位置である札幌市中央区に移転しています。

長らく鉄道関係者のための医療機関としての役割を担ってきましたが、1982年（昭和57年）に北海道知事から保険医療機関の指定を受けたことにより、地域住民を含む一般患者の受け入れを開始しました。これにより、より広範な医療ニーズに応える体制が整えられました。

1987年（昭和62年）の日本国有鉄道（国鉄）の分割民営化に伴い、北海道旅客鉄道株式会社（JR北海道）が発足。これに伴い、鉄道病院としての機能はJR北海道に引き継がれ、同社の運営する病院となりました。

そして、施設の老朽化に対応するための建て替え工事が完了した2009年（平成21年）、新たな病院棟での診療が開始されると共に、名称を現在の「JR札幌病院」へと改め、現在に至ります。

機関指定と役割

JR札幌病院は、地域医療における重要な役割を担っており、様々な機関指定を受けています。

母体保護法指定医を育成・研修する「母体保護法医師指定研修機関」としての役割。
将来を担う医師・歯科医師を育成する「臨床研修指定病院」（医科・歯科）としての役割。
北海道におけるがん医療連携の推進拠点の一つである「北海道がん診療連携指定病院」としての役割。

これらの指定を通じて、高度な医療提供体制の維持と、次世代の医療専門家の育成に貢献しています。

診療体制

JR札幌病院では、多岐にわたる疾患に対応するため、複数の診療科を設けています。また、特定の疾患やニーズに応じた専門外来も開設しており、きめ細やかな医療を提供しています。

専門外来としては、喫煙習慣の改善を目指す「禁煙外来」、人工肛門・人工膀胱に関するケアを行う「ストーマ外来」、糖尿病の診断・治療を専門的に行う「糖尿病専門外来」、そして乳腺疾患に特化した「乳腺専門外来」などがあります。

これらの診療を支える部門として、職員の健康管理等を担う保健管理部、医療機器の操作や管理を行う臨床工学室、入院・外来患者の栄養管理を担う栄養管理室、医薬品の調剤・管理を行う薬剤科、院内感染対策を推進する感染防止対策室、そして患者ケアの中心となる看護部などが連携して機能しています。

アクセス

当院は、札幌市の中心部に位置し、公共交通機関を利用したアクセスが非常に良好です。

JR札幌駅からは、南口から徒歩でおよそ10分です。
* 札幌市営地下鉄 さっぽろ駅からは、21番出口を利用すると徒歩約3分と非常に近接しています。

また、病院は国道5号線（創成川通）沿いに面しており、視認性が高い場所にあります。お車でお越しの方のために、立体駐車場も完備されています。

関連情報

JR札幌病院の歴史において特筆すべき人物として、山下秀之助氏が挙げられます。氏は1945年（昭和20年）から長きにわたり札幌鉄道病院の院長を務められた人物です。医学者としての功績に加え、氏は北海道歌壇の重鎮としても知られ、後には宮中歌会始の選者を務めるなど、文化面でも大きな足跡を残しました。

本院と同様に、JRグループには全国各地に鉄道病院を前身とする病院が存在しており、大阪鉄道病院、JR広島病院、九州鉄道記念病院、JR東京総合病院、JR仙台病院、名古屋セントラル病院などが知られています。

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