JR東日本251系電車

251系電車について

251系電車は、かつて東日本旅客鉄道（JR東日本）が運行していた直流特急形の電車です。本車両は1990年4月28日、「スーパービュー踊り子」としての営業運転を開始しました。

開発背景

伊豆方面の特急列車の運行は、1981年に登場した185系電車が担っていました。しかし、185系は普通列車にも運用されることを考慮して設計されたため、内装や快適性で若干の物足りなさがありました。そのため、251系は伊豆半島へのリゾートアクセス専用車両として開発が進められました。最終的に、10両編成が4本導入され、合計40両が製造されました。デザインのコンセプトは「列車に乗ったらそこは伊豆」とし、伊豆急行2100系電車（リゾート21）から着想を得た外観となっています。

車両仕様

251系電車は、10両編成のうち、3両が2階建て車両、7両が平屋のハイデッカー車両で構成されています。材料には普通鋼が使用され、一部にはステンレス鋼が採用され、全体の重量は358.1トンと、前の185系よりも軽量化されています。

色彩は、伊豆の海をイメージしたアジュールブルーとフューチャーグレーのツートンカラーで、車両の中央部には白い帯が施されています。乗降口には開くプラグドアが設けられ、2両ごとに一つの乗降スペースが用意されています。この方式には「ひとつの空間」という意図があります。

車内構成

251系の車内は、さまざまなユニットから構成されています。グリーンユニット（1・2号車）には、2+1の配列で配置されたグリーン車があり、個室も完備されています。カスタムユニット（3-8号車）は、個人や団体向けに対応したハイデッカー構造の座席を誇ります。

9・10号車は、家族連れ向けのグループユニットとして、4人掛けのセミコンパートメントが設けられ、10号車には展望席が備わっています。すべての車両には便所が設置され、各ユニットには快適性を考慮した設備が整っています。

機器構成

主回路は651系の技術を採用し、界磁添加励磁制御と定速制御機能が付加されています。特に、集電装置には下枠交差式のPS27形が採用され、客室スペースを広げる工夫が施されています。また、空調装置はインバータ式の集約分散型で、高い冷房能力を持っています。

リニューアル工事

2002年から251系のリニューアル工事が始まり、外装や内装がモダンなデザインに一新されました。新たな色調や座席の改善が進められ、再び快適な旅行体験を提供する準備が整いました。

運用状況

251系は、スーパービュー踊り子として主に東京から伊豆急下田間の運行に使用され、また「おはようライナー新宿」や「ホームライナー小田原」など、様々な臨時列車としても重用されていました。しかし、新型特急列車の導入に伴い、2020年に全ての営業運転が終了しました。

引退

251系電車の引退時には、特別な撮影イベントが予定されていましたが、新型コロナウイルスの影響で中止となりました。その後、すべての751系車両が廃車され、解体されています。251系電車は、JR東日本の歴史に名を刻む魅力的な特急電車でした。

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