JR東日本DD18形ディーゼル機関車

DD18形ディーゼル機関車

DD18形ディーゼル機関車は、元々はJR東日本が導入した除雪用の液体式ディーゼル機関車です。この機関車は、冬季に降雪が頻繁に発生する地域での線路の除雪作業に特化して設計されました。1991年に奥羽本線において新たに導入されたこの機関車は、従来の狭軌から標準軌への改軌に伴い、既存の機関車を改造して作られました。

背景

奥羽本線の福島駅から山形駅間では、新在直通運転のミニ新幹線化に伴い、既存の1,067 mmの狭軌から1,435 mmの標準軌に改軌するプロジェクトが進められました。この変更により、降雪の多いこの地域では専用の除雪車両が必要となり、そのためにDD18形が開発されました。1996年には、さらに1両が追加で増備され、合計で最大3両が在籍していました。

しかし、後に登場した後継のモーターカーENR1000形が運用を開始したため、以降はDD18形の使用に限界が生じました。2007年には、2両と3両が相次いで廃車され、2008年には残る1両も運用を終えたため、同年6月5日付で廃車が決定されました。

改造内容と仕様

DD18形の基本構造はDD51形の機関車本体に基づいていますが、ラッセルヘッド部はDE15形の前頭車を利用しています。主な改造内容としては、上記のように狭軌から標準軌への改軌が挙げられます。機関車本体の動力台車は新しく製造されたもので、その他の構成部品は種車を改造して使用されています。具体的には、DD51形の中間台車は元々空気ばね式でしたが、改造時にコイルばね式に変更され、軸重調整機能が不要になったためその設計が見直されました。

また、除雪機能を追加するために、機関車本体にはラッセルヘッドとの連結固定装置も設けられました。安全面でも工夫が施され、自動列車停止装置がATS-S形からATS-P形に変更され、運行の安全性が向上しました。

まとめ

DD18形ディーゼル機関車は、JR東日本による地域の気象条件に特化した除雪用機関車として、改軌と改造が施された結果、奥羽本線や田沢湖線の運行に貢献しました。しかし、時代とともに新しい除雪車両が登場し、その役割を終えることになりました。DD18形は、技術の進化とともに移り変わる鉄道の歴史の一端を物語る存在として、多くの鉄道ファンに記憶されています。

関連項目

• - 山形新幹線用に標準軌に改造された事業用車
• - JR東日本DD19形ディーゼル機関車
• - JR東日本クモヤ743形電車

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