JR東海キハ11形気動車

キハ11形気動車について

キハ11形気動車は、1988年に東海旅客鉄道（JR東海）および東海交通事業によって導入された一般形気動車です。この車両は、国鉄経由で引き継がれたキハ30形やキハ58形の置き換え、およびワンマン運転を推進するために設計されました。キハ11形はいくつかの異なる番台に分かれており、普通鋼製車両（0、100、200番台）とステンレス鋼製車両（300番台）が存在します。各番台は製造コストの削減や運用条件に応じた変更が加えられています。

車両の特徴

車体

キハ11形の車体の最大長は18メートル（車体長は17.5メートル）で、客室側窓には211系電車と同じ下降式の1枚窓が採用されています。また、車体両端にはワンマン運転に対応した幅850mmの片引き戸が2ヶ所設けられており、押しボタン式の半自動ドアとして機能しています。さらに、2000年6月以降には、一部車両の前面に排障器が拡大される改造が行われています。

車内

車内は、ロングシートとボックスシートを組み合わせたセミクロスシートが採用され、利用者の多様なニーズに応じたレイアウトとなっています。形状は211系5000番台に基づいたバケットタイプで、さらに座席定員は110名、座席数は60名（300番台は46名）に増やされています。なお、300番台を除いてトイレは設置されておらず、冷房装置は機関直結式のC-AU29を1基搭載しています。

機器類

エンジンは、キハ85系と同系列のC-DMF14HZAを搭載しており、出力を抑えた設計がされています。変速機は軽快気動車用のC-DW15が使用され、走行性能が向上しています。最高速度は95km/hに達し、急勾配でも安定した走行が可能です。台車にはエアサスペンションを用いたC-DT58とC-TR242が採用され、動台車が2軸を駆動します。

番台別の説明

0番台

1988年に製造された0番台は、主に名松線や参宮線、紀勢本線で運用されてきました。しかし、トイレが設置されていないため、相互連結運用が必要な場合は300番台と連結されることが多くなりました。2016年には全車が除籍され、同年9月に全て廃車となりました。

100番台

寒地用の100番台は、0番台同様に製造されていますが、いくつかの仕様変更が施されています。美濃太田車両区で運用されていた200台は、2015年にすべて除籍されました。

200番台

東海交通事業が増備した200番台は、城北線仕様として設計されています。基本的な仕様は100番台と共通していますが、外観にいくらかの変更が施されています。

300番台

300番台は、1999年に暖地向けとして増備され、操作や設備が改良されています。この車両は、紀勢本線ではなく参宮線での運用が中心となっています。

譲渡した車両

キハ11形の中には、ミャンマー国鉄やひたちなか海浜鉄道へ譲渡された車両があります。特にミャンマー国鉄への譲渡は、東海旅客鉄道が運用を縮小し、廃車が進む中で行われました。一部の車両は、冷房装置の高さを調整するための改造が施されています。

運用状況

2023年時点で、JR東海と他の運営事業者において、キハ11形は様々な路線で運用されています。東海交通事業やミャンマー国鉄、ひたちなか海浜鉄道でもその姿を見ることができます。

キハ11形気動車は、その多様な仕様と運用実績から、日本の鉄道の歴史において重要な役割を果たしてきた車両です。

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